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朝鮮人追悼碑訴訟14日判決 提出資料に複数の誇張 守る会、捕虜と労務者を同列

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朝鮮人追悼碑訴訟14日判決 提出資料に複数の誇張 守る会、捕虜と労務者を同列

 高崎市の県立公園「群馬の森」の朝鮮人追悼碑をめぐり、碑を設置した「追悼碑を守る会」が県を相手取り設置更新の不許可処分の取り消しを求めた訴訟で、守る会側が証拠資料として前橋地裁に提出した小冊子に参考資料にはない誇張した表現が複数あることが10日、分かった。小冊子は平成26年4月、守る会の関係者らが作成・発行した「群馬における朝鮮人強制連行と強制労働」。基本資料として関係市町村誌などが明記されているが、照合すると、新たに加えられた表現があった。判決は14日。

 全130ページのうち、提出されたのは約50ページ。その中で、例えば古馬牧村(現みなかみ町)で昭和20年に開始した「地下工場」設立工事について、村史には「支那正規軍の捕虜のうち約300名は(中略)補助的な労役に従事した」とあり、中国軍捕虜の悲惨な労務環境を詳述しているが、証拠資料には「朝鮮人労働者も同じような悲惨な状況であった」と表現。捕虜と朝鮮人労務者を同列に扱うなど、村史にない説明が追加されている。

 また、昭和18年に着工した岩本発電所(沼田市)の導水路工事をめぐっては、雑誌「群馬評論」の特集にある「強制連行」されたという中国人が脱走を繰り返したとの記述を引用していながら、「逃走する朝鮮人・中国人が相次いだ」と朝鮮人も同様であるとの文脈に誇張している。

 証拠提出されていない部分には10カ所ほどの誇張表現があった。

 吾妻郡六合村(現中之条町)の群馬鉄山で昭和20年当時、働いていた労働者の紹介では「錬成工(強制連行朝鮮人)461人」としているが、引用元とみられる六合村誌には「錬成工(朝鮮人)461名」とあるだけで、「強制連行」が追記されている。

 小冊子を編集した守る会側の一人は「当時を知る人たちの証言が元になっている部分もある。(資料の)言葉をそのまま引いてきているわけではない」とし、「強制連行」などを追記した理由として「分かりやすくするため」とした。

 追悼碑をめぐっては平成16年の設置以前、守る会の前身・建てる会の名称や碑文の中に「強制連行」があるのを、県側が政府見解は労務動員なので不適切として協議の上、名称からは削除し、碑文は労務動員に修正した経緯がある。その上で県側は政治的発言などを行わない条件を提示、同意していた。

 だが、守る会側は集会で政治的発言を繰り返したとして設置不許可処分を受け、裁判でも「『人狩り』といわれた強制連行で行政・警察・軍隊などが介在して行われた」などと政治的主張を行ってきた。