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柏の「地ビール」が評判 家族で育んだ7種類 地元素材使い「街おこし」にも

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柏の「地ビール」が評判 家族で育んだ7種類 地元素材使い「街おこし」にも

 柏市で初めての「地ビール」が誕生、市内のレストランで味わえるようになり評判となっている。長く地元で学習塾を経営した一家が、「自分たちの手で柏ならではの飲み物を」の夢を実現させた味。家族4人が役割を分担して完成させた。

 「地ビール」を開発したのは丹羽文隆さん(60)と妻、息子2人。丹羽さんは大学で醸造学を学んだが、親から引き継いだ学習塾の経営に専念。しかし「いつかは醸造を」の思いを捨てず、還暦を前に「地ビール」造りに乗り出した。

 技術や設備があっても酒類は作れない。税務署から酒類製造の免許を受ける必要がある。丹羽さんは「大規模な生産が前提のビール免許は無理」と、少量生産でも取得できる発泡酒免許による「地ビール」造りを決めた。

 麦やホップなどが原料のビールだが、フレーバーなどの副原料を加えると発泡酒に分類される。ヨーロッパでビールとされる酒類でも、日本では発泡酒になることがあり、これをモデルにした。だから分類上は「発泡酒」でも、おいしさは本物なのだという。

 丹羽さんは昨年7月に発泡酒製造免許を申請。12月8日に取得でき、8日後の16日に柏市役所近くに、直営レストラン「柏ビール」をオープンさせた。

 レストランの奥に発酵タンクや糖化釜などを備えた年間生産能力7・2キロリットルの工場がある。ハンガリーのビール工房で学んだ、下の息子の一宇(かずひろ)さん(27)が醸造長だ。レストランの開店は週後半の4日間のみ。営業日が限られるのは、製造に当てる時間をたっぷり取るためという。

 現在、アメリカンタイプの「柏ペールエール」などホップの香りが強い3種類と、「手賀沼ポーター」など麦芽の香りが魅力の2種類、ストロベリーとアップルのフルーツ風味2種類の計7種類を、1杯(420ミリリットル)650円(税別)で提供。妻の和子さん(59)が腕を振るった柏の野菜プレートや自家薫製マグロなどの食事メニューが用意されている。

 柏の味にこだわる丹羽さん一家。大麦やホップは購入するが、小麦の一部は市内や白井市内の畑で丹羽さんが育てたものだ。また、フルーツ風味には地元産のイチゴを使用している。

 今後は柏の農家の協力を得て、ホップと大麦の栽培に力を入れるという。柏で生産が盛んなショウガを使った新しい味にもチャレンジ。瓶入りの販売を実現して、柏を象徴する手賀沼の美しい風景を描いたラベルにしたいという。

 丹羽さんは「地元の素材を使った、いろいろな味をつくり、柏の街おこしにも役立ちたい。今年はホップ栽培を勉強する。夏はホップの日陰で涼み、できたてのホップの実で本当の意味での柏の味がつくれたらいい」と話している。

 「柏ビール」は柏市柏5の8の15。(電)04・7199・7774。営業は木~日曜の午後5時半~10時半。(江田隆一)