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【長崎県名誉県民 松尾敏男展】(3)「南風先生像」 風格と品位、師弟の絆刻む 

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【長崎県名誉県民 松尾敏男展】
(3)「南風先生像」 風格と品位、師弟の絆刻む 

「南風先生像」(1980年、熊本県立美術館) 「南風先生像」(1980年、熊本県立美術館)

 爽(さわ)やかな緑のなかに立つ老人。松尾敏男の師匠であった堅山南風である。松尾にとって師を描くことは長年の夢であったが、なかなか言い出すことができなかった。しかし次第に衰えていく南風を目の当たりにし、意を決してモデルを頼んだ。南風は快く引き受け、弟子の前でポーズをとった。

 松尾は92歳の南風をありのままに描いた。一見弱々しく見えるが、きりっと結んだ口元や深いまなざしは、絵の世界一筋に歩んできた老大家の風格と品位を伝えている。師に対する敬慕に満ちた視線が一分の隙間なく作品全体を貫いており、最初の肖像画とは思えない完成度の高さを誇っている。

 松尾は院展に出品する前に、南風のもとへ完成作を持参した。身じろぎもせず師の言葉を待つ松尾に、南風は一言、「私のような者を描いてくれてありがとう」と言ったという。弟子の成長を見届けるかのように、完成から約4カ月後、南風は彼岸へと旅立った。(長崎県美術館 学芸員・森園敦)

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 「長崎県名誉県民 松尾敏男展」は3月11日まで、長崎県美術館(長崎市出島町)で開催。