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草津白根山噴火 被害者情報公表に遅れ 県、ずさんな「一元管理」

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草津白根山噴火 被害者情報公表に遅れ 県、ずさんな「一元管理」

 草津白根山の本白根山(草津町)の噴火で、県は25日午後、死亡した陸上自衛隊第12旅団(榛東村)の伊沢隆行さん(49)の氏名などを公表した。同日午前まで非公表としていたが、「家族の了解が得られた」とし、姿勢を一転させた。噴火から2日経過してからの公表は遅い上、同日時点で12人の死傷者の詳細な負傷状況は「把握できていない」と回答。災害時の負傷者情報の「一元管理」をまかされている県の情報の通知や収集などの、ずさんさが鮮明になっている。

 県危機管理室は25日午前、伊沢さんの氏名を公表しない理由を記者団に説明。家族から「公表しないでほしい」との要望があり、行方不明者が多数発生している状況ではないことなどを挙げた。しかし、午後になって「家族の同意が得られた」として公表に至った。

 従来は、災害時の被害者情報については、県警が氏名などを公表してきた。県は人数や傷病程度しか公表しないのが通例だったが、昨年4月に改正された国の防災基本計画では「(災害時の)人的被害の数については都道府県が一元的に集約、調整を行うものとする」と定められた。

 県警も「規定に基づいて、県が適切に行うものと承知している」とし、噴火から2日たった25日までに関係各所からの情報の“一元管理”は県にまかされているという。

 ところが、危機管理室が公表した死傷者12人の情報は、年齢や性別、自衛隊員であるか否かのほか、症状の重さなどにとどまっていた。体のどこにけがをしたのかなど、負傷状況の詳細については「把握できていない」と回答した。

 危機管理室は、今回の噴火での情報収集について「分かった情報は出してきており、人数と傷病状態は早く出せたと思っている」と説明。今後、情報公表の範囲などについて、入内島敏彦・危機管理監は、「関係機関と協議し検討していく」と述べた。

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 ■県警や消防が捜索 新たな被害者なし

 草津白根山の本白根山の噴火から3日目を迎えた25日、12人の死傷者を出した草津国際スキー場(草津町)では、火山性微動の観測により中断された県警や地元消防による捜索が再開された。

 新たな被害者は発見されず、捜索は終了した。県警に問い合わせなども寄せられていない。

 再捜索は約45人体制で実施。午前10時55分ごろ、第一陣の4人を乗せた雪上車2台が山頂へ向かった。県警によると、死傷した陸上自衛隊員が活動していた場所を中心に捜索し、午後5時すぎに終了した。

 26日は被害者の遺留品を検索するほか、スキー客が山頂付近などに近づかないよう警戒を行う予定。

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 ■県内の小中高12校、スキー教室中止も

 草津白根山の本白根山の噴火で、県内12校の小中高校が、山麓にある草津国際スキー場で予定していたスキー教室の実施について、中止や場所の変更も含めて見直しの検討を進めていることが25日、県教育委員会のまとめでわかった。噴火の影響は、児童や生徒の安全を重視する教育現場にも広がり始めている。

 県教委健康体育課によると、12校の内訳は、小学校6校、中学校4校、高校2校。このうち、既に小学校3校が場所の変更を決め、30日に実施予定だった高校1校が中止を決めた。

 草津国際スキー場を運営する草津観光公社は噴火翌日の24日、「噴石の危険はない」として、噴火口から約5キロ離れた一部ゲレンデの営業を再開。噴火口から2キロ以内にあるゲレンデは今季の営業再開を断念した。