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萬古焼陶祖生誕300年 「優れた保温性知って」都市圏や地元・四日市でPR

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萬古焼陶祖生誕300年 「優れた保温性知って」都市圏や地元・四日市でPR

 四日市市が中心産地の萬古焼(ばんこやき)を創始した陶芸家、沼波弄山(ぬなみろうざん)(1718~1777年)の生誕から今年で300年となる節目に合わせ、三大都市圏や地元でその魅力を発信するプロジェクトが27日に始動する。特産品とともに萬古焼の優れた特質をアピールし、観光情報誌も発行する。

 沼波弄山は桑名の商家に生まれた。20歳の頃に小向(おぶけ)(朝日町)に窯を開いて陶芸を始めたのが、萬古焼の始まりとされる。その後、江戸の向島(むこうじま)小梅(墨田区)でも窯をつくり、文人趣味にかなう茶陶類を多く制作。技術を受けついだ職人らは時代のニーズに応じた器を作り続け、現在は国産土鍋のシェアで約8割を有するという。

 生産者や販売者でつくる萬古陶磁器振興協同組合連合会は、一昨年秋に「BANKO 300th」実行委員会を発足させ、昨年春にはPR用のロゴマーク=写真=を選定した。今月27、28日に埼玉県和光市で開催される「ニッポン全国鍋グランプリ」で本格的なPR活動をスタートさせる。

 2月に東京・日本橋の情報発信拠点「三重テラス」、4月に大阪・阪急百貨店梅田本店、5月に名古屋城・やきものワールドでもイベントを開催。地元、四日市市では3月に「ばんこの里フェスタ」、5月に「萬古まつり」を開き、9月中旬に窯元見学などの観光情報も盛り込んだ記念誌を出版する。9月末~12月末には、ばんこの里会館(陶栄町)で展示会「萬古焼の粋」を初めて開く。

 PR活動では、伊勢茶を紫泥(しでい)(無釉陶器)の急須で、冷たいそうめんを土鍋で味わってもらうなど、四日市の特産品とともに萬古焼の優れた保熱(冷)性をアピールする。

 実行委の山本哲也委員長(59)は「全国でも珍しい町場の産地としてフットワークの良さを発揮してきた萬古焼の歴史と魅力を発信し、業界一丸で20年後の開窯300年につなげていきたい」と話す。