産経ニュース

【山形県民の警察官受章者の横顔】(上) 米沢署川西駐在所・奥山和徳警部補

地方 地方

記事詳細

更新

【山形県民の警察官受章者の横顔】
(上) 米沢署川西駐在所・奥山和徳警部補

 ■「現場こそ“教師”」を体得

 県民の安全と財産を守るため、日夜職務にあたる警察官をたたえる平成29年度「山形県民の警察官」(産経新聞社主催)の表彰式が2月1日、山形市の山形県自治会館で開かれる。表彰式を前に、受章が決まった米沢署地域係長、奥山和徳警部補(59)と、寒河江署交通係長、千原哲(さとし)警部補(52)の業績や職務にかける思い、その横顔を2回にわたって紹介する。

 30年近くを第一線の刑事として活躍。「卒業(退職)前に自分の足跡を残しておきたい」。そう願い地域住民と密接な仕事をしようと川西町駐在所で働く。最近、事故や窃盗が減り、まちが静かになったと評判だ。地域住民が安心安全な社会と感じる「体感治安」が上がってきているのだ。

 振り出しの新庄署では、古物商をまわり、盗品捜査にあたった。連日、新品を入れる男を見つけ、「何かおかしい」。販売店などを裏付け捜査し、代金が支払われず負債が残ったままの商品と分かり、詐欺事件として、立件した。

 刑事の勘が生きた捜査と思いきや「足で探した事件」とほほ笑む。以後、県警本部でも足で探す地道な手法を変えない。統一地方選の買収事件、飯豊町の贈収賄事件、暴力団幹部による恐喝事件など、数多くの事件で手腕を発揮した。

 若いころ、新庄署で出会った「落としのお父ちゃん」の存在を忘れない。完黙の容疑者を「すいませんでした」と自供させ、必ず落としたからだ。その名物刑事の手法を知りたいと、取調室に聞き耳を立てたが、怒鳴り声一つ聞こえてこなかった。そんな刑事になろうと目標にした。

 自分が残す「足跡」には若手の鍛錬も含めている。若手の報告が不足すれば、「ここが足りねえ、もう一度行ってこい」。捜査で大切な、体で感じること、それを体得してほしいからだ。「現場こそ“教師”」。そう信じている。(柏崎幸三)