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横浜ローズプロジェクト始動 キーワードは市花「バラ」

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横浜ローズプロジェクト始動 キーワードは市花「バラ」

 ■市も協力、民間ベースで街の魅力発信

 横浜市が豊富なオープンデータの提供や橋渡し役を務め、市内の企業やNPO、学生ら多様なプレーヤーが会して市の魅力を発信する取り組み「横浜ローズプロジェクト」が本格始動した。単に横浜の市花「バラ」の関連商品を創出して終わるのではなく、バラを「感謝や平和の象徴」と位置付け、コンセプトの賛同者らがバラを入り口とした商品開発やサービス展開、アプリ開発を行うことで、市民や国内外の観光客に横浜の魅力を伝える試みで、関係者たちは「横浜モデル」にしようと躍起だ。(那須慎一)

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 今回の試みは、バラをキーワードに民間の力で“シビックプライド(その都市への誇りや愛着)”を醸成しようというもの。「多くの市民が、市花がバラであることを知らないのでは」という視点から企画がスタートした。

 ◆アイデア出し合い

 市では、バラを通じて市民としての誇りを高めてもらうことや海外での横浜ブランドの認知度向上につながると判断。市は従来のような助成金などの資金面の援助はしない代わりに、プロジェクトのメンバーらには、市が保有する統計や市民意識調査などの膨大なデータを惜しみなく提供し、民間べースでシティープロモーションのアイデアを具現化してもらう考えだ。

 昨年12月中旬、市共創推進室の担当者がコーディネート役となり、馬車道のシェアオフィス「さくらWORKS」の一室に地場の企業トップや飲食店店長、学生らが集結。「バラ」を入り口として、さまざまなアクションを起こせないかアイデアを出し合う姿がみられた。

 フェリス女学院大の菅茉実子さんは「国内では『横浜』の認知度は高いが、外国人にはほとんど知られていない」と指摘。バラの香りがするメッセージカードの印刷技術を持つ大川印刷の大川哲郎社長は「すでにバラ関連の商品はあるので、歴史的な要素に加えて『人と人の間の平和』や『バラから始める対話』といったコンセプトにしたらどうか」と提案した。

 ◆すでにカクテル開発

 南区六ツ川でバーレストランを経営する山田ベンツさんは、すでにブルガリアンローズとラム酒を掛け合わせたオリジナルカクテル「ダマスクローズ・ヨコハマ(仮)」を開発しているが、「モスクワでは、花屋さんが遅くまで営業していて、夫が飲んで帰るときに、愛情や感謝の気持ちを込めて妻に花を買っていくという習慣がある。こういうユーモアを盛り込んだらどうか」と述べた。

 この日は「『ごめんなさい』や『ありがとう』をバラで伝えられるようなムーブメントを作れたらいいのでは」ということで意見が一致していた。今回の取り組みでは、開港記念日でもある6月2日に制定した「ローズの日」を一つの到達目標に位置付け、市提供の膨大なデータによる裏付けを持たせながら、「バラ」への関心につながる商品開発やサービスのあり方などを模索する。

 その後も取り組みに共感する企業や人など、参画プレーヤーの輪を広げて「最終的には年間を通じ、バラをキーワードとした『横浜ブランド』の醸成につなげたい」(市共創推進室共創推進課)考えだ。

 市花 全国のさまざまな市で市のイメージに近かったり、ゆかりがあったりする花を制定している。横浜市では「花と緑あふれる横浜を創造するシンボル」として、平成元年9月23日、市民により定められた。西洋バラの多くは開港間もない横浜から日本へ上陸したといわれ、その後、1世紀以上にわたって市民に親しまれていることなどが理由としている。