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幻の銘酒、440年ぶり復活 「百済寺樽」2月から販売 滋賀

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幻の銘酒、440年ぶり復活 「百済寺樽」2月から販売 滋賀

 東近江市の古刹(こさつ)、百済寺(ひゃくさいじ)で約440年前に醸造が途絶えたとされる幻の銘酒「百済寺樽(ひゃくさいじたる)」が完成し、2月上旬から販売される。1573年に織田信長の焼き打ちにあい、醸造が途絶えるまでは「僧坊酒」として室町幕府への献上品にされていたとの記録が残る酒。昨春から復活させるプロジェクトが始まっていた。

 地域おこし協力隊員の比嘉彩夏さん(30)が、百済寺の浜中亮明住職から僧坊酒の話を聞き、復活に向けたプロジェクトチームを結成。クラウドファウンディングなどで資金を集めたほか、支援者とともにコメ作りから始め、復活にこぎ着けた。仕込み作業を手がけた同市の喜多酒造で行われた蔵出しで、比嘉さんは「歴史あるお酒なので、食事の邪魔をせず、ずっと愛されるお酒を目指しました」と説明した。

 県内で栽培される酒米「玉栄(たまさかえ)」を利用し、近江の日本酒特有の柔らかな口当たりに、ほのかな酸味が加わった仕上がりになったという。喜多酒造の喜多良道社長(64)は「杜氏が昔ながらの製法で造らせてもらった自信作」と胸を張り、杜氏の四家(しやけ)裕さんは「東近江は鈴鹿山脈の水がいいので、土地の気候や自然がしみ出すように心がけ、米のうまみをそのまま引き出すようなお酒になった」と話した。

 価格はそれぞれ税別で四合瓶1250円、一升瓶2500円。同市内の道の駅「あいとうマーガレットステーション」や県内の酒販店などで販売される。問い合わせは喜多酒造(電)0748・22・2505。