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「産経国際書展新春展」最高賞に四日市の伊藤さん 独学で新境地

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「産経国際書展新春展」最高賞に四日市の伊藤さん 独学で新境地

 「第34回産経国際書展新春展」(産経新聞社、産経国際書会主催)の一般公募部門の最高賞「産経新聞社賞」(5点)に、四日市市の伊藤俊明さん(55)の作品が選ばれた。独学で新境地を切り開いてきた伊藤さんの、躍動感とバランスが調和した筆致が高い評価を得た。

 受賞作品は中国の古典『菜根譚(さいこんたん)』から取った「渾然和気」。「いつも円満な和気をたたえて、といった意味ですが、内容とは逆にちょっと暴れた筆致のものを出品しました。独学でやってきたことが認められて感謝感激です」と語る。

 社中(団体)の勧めで出品される作品が多数を占める中、極めて珍しい個人出品での快挙だ。

 伊藤さんは高校時代に桑名市の書家、平野移暁(いぎょう)さん(故人)に師事し、本格的に書を始めた。長野県の大学に進学後も帰省した際は平野さんの元に通ったが、社会人となってからは、独学で腕を磨いた。「上達には団体に所属するのが合理的ですが、しばられずに自由に書きたいという思いがありました」

 多いときは競書雑誌5冊の会員となって作品を毎月提出。ひとりよがりの勝手きままな書にならないように、常に気を遣ってきた。

 これまで大規模公募展には出品してこなかった伊藤さん。4年前に名古屋市で開催された産経国際書展中部展を鑑賞した際、「一党一派にとらわれないバラエティに富んだ作品が多い」と感じ、出品を決めた。

 初めての出品は昨年の産経国際書展新春展。いきなり奨励賞を受賞したが、さらに高みを目指し、墨の力と色▽渇筆の工夫▽安定感と強さ▽白(余白)を美しく見せる-を課題とし2年目で見事、最高賞に輝いた。

 歯科医師として多忙な日々を送りながら、書をしたためる。「墨を置くときの緊張感が好きなんです。白と黒のバランスが取れたときの充実感は最高です」と書の魅力を語る。

 今後は、漢字・仮名まじりの日本の古典に記された言葉を書いていきたいと意欲を見せる。「文字を崩し過ぎず、誰でも読めるような書に挑戦していきたい」と話す。

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 第34回産経国際書展新春展は24日~2月5日、東京・六本木の国立新美術館で開催される。開場時間は午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで)。問い合わせは産経国際書会(電)03・3275・8902。