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正成の絵馬を復元し湊川神社に奉納 河内長野・加賀田神社がプロジェクト

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正成の絵馬を復元し湊川神社に奉納 河内長野・加賀田神社がプロジェクト

 加賀田神社(大阪府河内長野市)の本殿の保存修理工事の際に見つかった南北朝時代の武将・楠木正成らを題材にした絵馬を、新しく復元するプロジェクトを同神社などが中心となって今春から始める。資金はクラウドファンディング方式で調達し、完成品は正成を祭る湊川神社(神戸市)に奉納するという。

 加賀田神社は平成26年から28年まで、保存修理工事が進められており、絵馬はその過程で発見された。幅約1・9メートル、高さ約1・2メートルの大きさで、菊水紋の鎧(よろい)をまとった武将や、その前にはひざまずく別の若い武将の姿などが描かれており、正成と嫡男・正行(まさつら)父子の別れを描いた「桜井の別れ」を題材にしたものとみられる。明治15(1882)年の本殿大修理完成時に、氏子らによって奉納されたという。

 同神社などによると、絵馬は一部の神社関係者の間で存在自体は知られていたものの、詳細な研究は行われていなかった。調査を担当した「天野山文化遺産研究所」(河内長野市)の山内章代表理事によると、本殿に描かれた武者像とタッチや彩色が似ていることなどから、明治期に現在の奈良県五條市を拠点に活動した絵師・大西安太郎の作品の可能性が高いという。

 山内代表理事は「地域の人々に正成らが尊敬されていたことを示す貴重な史料」と分析。今回は加賀田神社などが中心となり、公を重んじた正成の魅力を「地元だけでなく全国へ発信しよう」と絵馬の復元プロジェクトを企画した。目標額は250万~300万円で、4月ごろから始める予定のクラウドファンディングで集める。寄付者への返礼として現在、復元模写された絵馬の裏に寄付者の名前を記すことなども検討しており、今年中の完成、お披露目を目指す。

 プロジェクトの担当者は「楠木正成を文化資源のひとつと捉え、復元される絵馬を、南河内と神戸を結ぶ『懸け橋』にしたい。同時に、河内長野市や千早赤阪村が中心となって進めている正成のNHK大河ドラマ化運動への一助になれば」と抱負を語る。