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伊賀「勝手神社の神事踊」が国重要無形文化財に 県内では10件目

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伊賀「勝手神社の神事踊」が国重要無形文化財に 県内では10件目

 国の文化審議会は19日、伊賀市山畑の「勝手神社の神事踊(しんじおどり)」を、国重要無形民俗文化財に指定するよう文部科学省に答申した。干魃(かんばつ)や疫病に対する恐れと平穏な暮らしへの切実な願いが背景にあるとされ、現存する「太鼓(かんこ)踊り」の代表として貴重という。答申通り告示される見通しで、県内の国重要無形文化財の指定は10件となる。

 勝手神社の秋祭りに行われる芸能で、胸にカッコと呼ぶ太鼓を付けた「中踊り」、歌を歌う「歌出し」、大太鼓を打つ「楽(がく)打ち」など計二十数人による踊り。中踊りは、色とりどりの紙の造花を細い竹に付けて垂らした飾り「オチズイ」を背負う。歌出しは団扇(うちわ)を手に踊り、楽打ちは立ち居を繰り返すなど、複雑な所作を見せる。

 伊賀市教育委員会文化財課によると、寛政2(1790)年に老中の松平定信の敬神思想の影響で始まったとする説などがあるが、はっきりは分からない。現在は10月の第2日曜に奉納されている。

 勝手神社神事保存会の藤森勝英会長(72)は「先輩たちが苦労してここまで残してくれた踊りが日本中に響き渡ることは、この上ない喜び。現役の踊り子にとっても大きな励みになる」と話している。

 伊賀市の岡本栄市長は「国の宝として価値が認められ誇りに思う。先人から引き継がれた民俗文化財の魅力をさらに発信していく」、鈴木英敬知事は「地域のみなさんが踊りの伝統を守ってこられたからこそ認められたと心から喜んでいます」とコメントした。