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長さ4メートル超、破邪の御太刀が脚光浴びる 山口・花岡八幡宮

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長さ4メートル超、破邪の御太刀が脚光浴びる 山口・花岡八幡宮

「破邪の御太刀」と村上基起宮司=山口県下松市 「破邪の御太刀」と村上基起宮司=山口県下松市

 山口県下松市の花岡八幡宮にある、全長4・65メートル、重さ約75キロの日本刀「破邪の御太刀」が脚光を浴びている。動乱の幕末期に「攘夷論」が台頭した長州で、志士を後押しする住民らが奉納した。関係者は、今年が明治維新から150年の節目を迎えたのをきっかけに、より多くの参観者に見てもらいたいと期待する。

 花岡八幡宮に伝わる記録によると、御太刀は欧米列強の波が押し寄せてきた1859年の式年祭に合わせ、住民らが「邪気を払い、平和な社会を築こう」との思いから、奉納したと伝わる。

 この年は、幕府による「安政の大獄」の嵐が、長州にも吹き荒れた。

 制作時には重さ約1トンもの砂鉄が使われた。鍛えた鉄を水に入れ、急激に冷やす「焼き入れ」の際には、近くの川をせき止めて作業をしたともいわれる。

 下松市が1973(昭和48)年、有形文化財に指定した。

 宝物殿で保管され、一般に公開されるのは秋の例祭など年に2回程度にすぎないが、特別な依頼があれば案内するケースもある。

 30代目の宮司、村上基起さん(64)は「ここ数年、刀剣ブームの影響もあり、見学希望者が増えた。多くの人に御太刀の魅力を知ってもらい、後世に残していきたい」と語る。

 下松市では維新150年キャンペーンの一環として、「幕末維新と花岡」と称した散策ツアーも人気だ。ボランティアガイドの案内付きで、御太刀を見学できる。

 ガイド役の喜多修さん(70)は「ただ見て、良かったというだけではなく、時代背景や先人の思いを感じ取ってもらえるとうれしい」とPRした。