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堺市の児童文化誌「はとぶえ」存続危機 少子化で定期購読減少

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堺市の児童文化誌「はとぶえ」存続危機 少子化で定期購読減少

 堺市立小学校に通う児童たちの作品を掲載する児童文化誌「はとぶえ」が存続の危機に直面している。定期購読の申込件数は、少子化による児童数減少に加え、必要なときだけ購入する保護者が増えたことで、8年前の4割近くに。市教育委員会はこのまま減り続ければ、発行そのものが難しくなるといい、「定期購読することで児童の刺激になる」と、保護者や児童に購読を呼びかけている。

 はとぶえは、市立小学校の教職員と小学校長会が毎月発行している児童文化誌。戦後まもない昭和26年に、湊小学校(現・新湊小)の教諭だった別所やそじ氏が「乏しい生活の中でも、子供の心だけは明るく豊かであってほしい」と、市内数校から児童の作品を集め、手刷りで児童詩集を発行したのが始まり。

 はとぶえは、やがて全市に広がり、現在は児童らの詩、つづり方(作文)、図画、習字のうち優秀作品を、各校の校長らが選定して掲載。市教委は「作品が掲載されることで、児童のやる気を起こさせている」としている。将来の仕事につなげたケースもあり、堺市出身の脚本家、今井雅子さんは「『はとぶえ漬け』の小学校生活が後の私をつくりました」と振り返る。

 しかし、近年は購読数が減少。児童の定期購読申し込み(4カ月ごと)件数は平成21年度に4978件だったが、29年度は1827件と4割近くに落ち込んだ。少子化の影響で児童数が減っているが、原因はそれだけでなく、定期購読をせずに、子供の作品が掲載されたときのみ購入する保護者が増えたことが背景にあるという。

 はとぶえの出版は大部分を購読料でまかなっており、このまま購読者数が減り続ければ発行が厳しくなる。市教委の担当者は「子供たちがはとぶえを読むと、自分の作品が掲載されていなかったとしても、いろいろな学校の子供の作品や思いを知ることで刺激になる。次の作品にもつながる」と話す。

 一部300円。児童が通う学校から申し込めるほか、直接購入を申し込むことも可能。問い合わせは、安井小学校内の事務局(電)072・223・6307。(江森梓)