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賀茂地域の津波対策決定は9地区 8地区で防潮堤かさ上げせず

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賀茂地域の津波対策決定は9地区 8地区で防潮堤かさ上げせず

 県下田土木事務所は賀茂地域1市5町で進めている津波対策協議の進捗(しんちょく)状況を発表した。それによると、全23地区のうち「津波対策の方針」がまとまったのは9地区のみで、うち8地区では防潮堤の新たなかさ上げなどは行わず、避難対策の拡充で対応するとしている。

 県は100~150年に1度の頻度で起きるとされるレベル1津波は防潮堤で防ぎ、1千~数千年に1度とされる最大規模のレベル2津波は避難路整備などのソフト対策で対応することを基本とする「県地震・津波対策アクションプログラム」を平成25年11月にまとめ、対策案を公表している。ただ、防潮堤の建設などは漁業や観光といった地域の産業に大きな影響を与えるため、県では地元住民との話し合いで地区ごとに最終案を決める「静岡方式」を採用している。

 今回対策がまとまった賀茂地域の9地区のうち、防潮堤の整備を行うのは東伊豆町の片瀬・白田地区だけ。白田漁港に既にある高さ4・5メートルの堤防をレベル1津波をブロックできる高さとなるよう1メートルかさ上げする。

 一方、防潮堤のかさ上げや新設を行わない方針を決めたのは、下田市の外浦地区・須崎地区・吉佐美地区、東伊豆町の大川地区・北川地区・熱川地区、南伊豆町の南崎地区、松崎町の三浦地区(岩地のみ決定、石部と雲見は協議中)の8地区。特に下田市の吉佐美地区と松崎町の三浦地区(岩地)ではレベル1津波を防ぐために場所によっては防潮堤を約10メートルかさ上げする必要があるが、景観や観光への影響に配慮して現状維持とすることが決まった。

 東伊豆町の大川地区・北川地区・熱川地区は必要堤防高以上の防潮堤が既にあるため、かさ上げは行わないとしている。

 県は伊豆半島の10市町を50地区に分けて津波対策の取りまとめを進めており、賀茂地域以外では熱海市(全6地区)の5地区と伊東市の全10地区で対策がまとまっている。ただ、賀茂地域では今回の発表時点で全23地区中14地区の方針がまとまっておらず、同事務所の担当者は「(観光が主産業の賀茂地域では)観光への影響を気にする住民と安全性を求める住民とで意見が割れており、合意形成が難しい」と話している。