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防災ヘリにダブルパイロット制 消防庁が導入後押し、32年度から財政支援へ

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防災ヘリにダブルパイロット制 消防庁が導入後押し、32年度から財政支援へ

 自治体が運航する消防防災ヘリコプターの安全対策を強化するため、総務省消防庁は、2人の操縦士が乗る「ダブルパイロット制」の導入を後押しする方針だ。松本市で昨年3月、操縦士が1人の県防災ヘリが墜落した事故を受け、財政面では平成32年度から支援できるよう調整を進める。将来は全ての防災ヘリで実現を目指すが、操縦士の養成など課題もある。

 防災ヘリは佐賀、沖縄を除く45都道府県に計75機が配備。山林火災の消火、山岳遭難や災害救助に当たっている。

 ダブルパイロット制は、機長とは別の操縦士が計器のチェックや周囲の警戒を担当する。機長の体調が悪化したときには、操縦を代わることもある。

 2人の操縦士が搭乗していても防災ヘリの事故は起きているが、消防庁は「操縦に起因する事故は操縦士1人だけの場合より少ない」と説明し、優位性を強調する。

 防災ヘリが配備されている自治体や消防計55団体のうち、ダブルパイロット制の採用は4割にとどまる。操縦士が増えると経費がかさむため、財源不足を理由に見送る自治体も多い。

 また、防災ヘリは自治体による直接運航と民間への委託があるが、操縦士の年齢層の偏りから今後、ベテランの大量退職が見込まれ、操縦士不足が懸念されている。農薬散布など農林業にかかわる飛行機会の減少で若手が経験を積む機会も減っている。このため、消防庁は、人材養成の強化策も検討する。

 ダブルパイロット制の導入には機体の変更が必要となるため、消防庁は、全国の防災ヘリで定着するまで10年以上かかるとみている。

 県は昨年11月に公表した県消防防災航空体制の再構築に向けた方針で、安全確保の主要策としてダブルパイロット制の導入を決定。県危機管理部は「運航時のリスクを最小化できる」としている。