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【#東北でよかった】高校生にみた被災地の未来

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【#東北でよかった】
高校生にみた被災地の未来

 宮城県南三陸町の「南三陸さんさん商店街」で高校生カップルを取材をした。選挙権年齢の引き下げに伴って、若者の声が聞きたかった。声をかけた若い女子高生は彼氏と待ち合わせ。商店街のテーブルで勉強の約束をしていた。

 津波の被害に遭った町。復興は日々進んでいる。でも、古いカーナビはかつてあったはずの目印に誘導しようとする。機械的な音声が教えるいまはない建物の近くを通るたび、表現できない気持ちになる。

 「津波で被災した地域に人は住めない。元には戻れないかもしれない」。ある壮年の男性が話した。「一見にぎわっていても、子供が走り回る光景がみられないければ、それは復興とは言えない」とも。

 それでも若者らは、いまを楽しんでいる。2人は問いかけにくすくす笑い、相談しながら答えた。東日本大震災の発生当時、ふたりは小学生だった。

 人も町並みも失われた。だが、子供は、若者は確実に、いまを生き、成長している。大人の思惑はさておき、たくましく青春を謳歌(おうか)する。それはそれで悪くない。私たちが思うより、ずっと、未来は明るいのかもしれないのだから。 (林修太郎)

                   ◇

 ある大臣が「(震災は)まだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言した。復興相だった。だからこそ。インターネットはそんな発言を消化し、昇華させ、「#東北でよかった」とつけた東北のよさの投稿であふれた。東北に赴任してきた若手記者たちが、逆説的でも揶揄(やゆ)するでもなく、素直に「東北でよかった」と感じつつ、被災地のいま、を土曜日に届けます。