産経ニュース

幡谷祐一・茨城県信会長死去 94歳 県内経済振興に尽力

地方 地方

記事詳細

更新


幡谷祐一・茨城県信会長死去 94歳 県内経済振興に尽力

 90歳を過ぎてなお経営の最前線に身を置き、県内経済の振興に尽力した県信用組合会長の幡谷祐一(はたや・ゆういち)氏が死去した。94歳だった。100歳長寿を目標に幅広い分野でチャレンジ精神を発揮。何事にも一心不乱に取り組んだ。日本人としての礼節を重んじ、努力を惜しまない茨城人だった。後日、お別れの会が開かれる。

 大正12年、旧小川町(現小美玉市)出身。県商工信用組合(現県信用組合)を創業した元県議、仙三郎氏の長男として生まれ、土浦中学(現土浦一高)を経て日大法文学部を卒業。家業の醤油醸造業などに従事した後、昭和62年に同組合理事長に就任。茨城トヨペット社長、全国信用協同組合連合会会長などを歴任した。産経新聞が展開する言論活動「正論」路線を中心に茨城から日本のあるべき姿を考える「茨城『正論』友の会」の会長も平成25年1月の設立時から務めている。

 平成19年には筑波大大学院生命環境科学研究科博士後期課程に入学。孫世代の学生たちと勉学をともにして、86歳という高齢で博士号を取得した。「学びの人」として知られ、生涯を通じて好奇心旺盛。漢詩を愛し、自ら詩作にも励んだ。

 時代に鋭敏な感覚と豊かな発想、創意工夫の精神。道徳教育を充実させ、人材交流や青少年の育成にも力を入れた。

 企業人としては事業所内保育園の創設など、仕事と子育ての両立を県内金融機関ではいち早く推進した。県中小企業団体中央会会長として中小企業振興に尽力し、同20年に旭日中綬章受章。企業の社会的責任や公益性の考えを念頭に置き、私財をなげうって社会貢献活動を実践した。

 正直であることを経営の根幹とし、信条は「心は豊かに、生活は質素に」。県政財界に太いパイプを築き、本県の戦前、戦後の成長と発展に確かな足跡を残した。