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隠岐の黒曜石テーマに島根大・及川准教授が講演 原産地遺跡発見の意義強調

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隠岐の黒曜石テーマに島根大・及川准教授が講演 原産地遺跡発見の意義強調

 「島根大学ミュージアム市民講座」が松江市の松江スティックビルで開かれ、及川穣・同大学法文学部准教授(考古学)が島根県隠岐の島町で見つかった黒曜石の原産地遺跡をテーマに講演。「隠岐などで黒曜石を見つけ、使用した人たちは、最初に日本列島への定着に成功した集団である可能性が高い」と発見の意義を強調した。

 同町では近年、黒曜石を産出してその場で加工もした「原産地遺跡」の発見が相次いでいる。その調査・研究に携わる及川氏が、黒曜石を研究する意義や、同町での現地調査の成果などを紹介した。

 及川氏は、黒曜石を使った石器などの分布状況を調べることで「世界各地のあらゆる環境への適応能力と探索の好奇心を併せ持ち、新天地を切り開いていったホモ・サピエンスの行動特質を側面から描き出せる」と説明。「ある集団が新天地として日本列島を大探索する過程で、隠岐にも黒曜石があるのを見つけたのではないか」とした。

 また、海上渡航の大きな目印で、頂上から周辺を見渡せる大山(鳥取県)の一帯が、この地方へ最初に定着した人たちの居住拠点となり、黒曜石を得るため定期的に隠岐へ渡った-との見方を示し、「アジアでの黒曜石利用の起源と展開のモデルを提示できる隠岐の黒曜石原産地遺跡は、国史跡レベルの価値がある」と話した。

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 島根大が10年前に開講した同講座は今回で100回目。現在は「隠岐学I」と題したシリーズで、先史時代から古代に至る隠岐諸島の文化をテーマに、学内外の研究者が講義している。問い合わせは同大学研究・学術情報機構ミュージアム(電)0852・32・6496。