産経ニュース

風太郎らの同人誌「鬼」発見 乱歩も寄稿「貴重な資料」 養父の記念館で展示へ

地方 地方

記事詳細

更新


風太郎らの同人誌「鬼」発見 乱歩も寄稿「貴重な資料」 養父の記念館で展示へ

江戸川乱歩も寄稿した同人誌「鬼」。寄贈資料から見つかった=養父市の山田風太郎記念館 江戸川乱歩も寄稿した同人誌「鬼」。寄贈資料から見つかった=養父市の山田風太郎記念館

 養父市の山田風太郎記念館に昨年末、遺族から寄贈された新資料の中に、風太郎が同人となった探偵小説研究誌「鬼」があることがわかった。非売品のため、入手が難しく、「山田風太郎の会」の有本倶子さんは「ずっと探していた冊子。大変貴重な資料といえる」と話している。

 「鬼」はB5判、約20ページの小冊子で、昭和25年に風太郎や高木彬光、島田一男、香山滋ら同世代の探偵小説の作家らが同人になって創刊。題字の「鬼」は江戸川乱歩が揮毫(きごう)した。毎号何部を発行していたかは不明だが、創刊号を除く9号までが見つかった。

 編集は持ち回りで、風太郎は6号(27年3月発行)の編集を担当。乱歩や横溝正史、彬光らに執筆を依頼し、内容が充実していることで知られている。

 風太郎の「本格探偵小説は初期の作品ほど優れていて、作家が年をとるに従って駄目になる傾向があるというが、それは本当だろうか」と問いかける原稿依頼を受け、乱歩は「創意の限度について」のタイトルで、ドイルやクイーンらの海外作家の作品を例に日本の探偵小説のあり方を論じている。このときの直筆原稿は額装にして、現在も東京・多摩市の風太郎邸の応接間に飾ってある。

 しかし、同人誌には執着がなかったとみられ、今回は有本さんらが風太郎邸の大きな書庫の片隅で、一般書籍と一緒に積み重ねた状態で見つけた=写真。

 「鬼」を含む新資料約180点は、記念館が開館15周年となる今年春の特別企画展で展示される。

このニュースの写真

  • 風太郎らの同人誌「鬼」発見 乱歩も寄稿「貴重な資料」 養父の記念館で展示へ