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【みちのく会社訪問】セッショナブル(仙台市青葉区) 女川でエレキギター製造 

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【みちのく会社訪問】
セッショナブル(仙台市青葉区) 女川でエレキギター製造 

 仙台市青葉区に本社を置く「株式会社セッショナブル」。同社が運営するサービス「GLIDE(グライド)」ではエレキギターの製造・販売などを行っている。製造拠点は、被災地・女川だ。

 梶屋陽介代表(34)は鹿児島県の種子島出身。都内の大学を卒業後、大手楽器店に就職し、30歳のときに念願の独立を果たしたという。

 ギター工房は女川の商業施設、シーパルピア女川にある。独立した4年前、ギターの製造拠点を決めあぐねていた際、創業を支援する女川のNPO団体の知人から女川を紹介された。

 当時は東日本大震災からまだ2年余り。震災の爪痕がまだ色濃く残る女川で、人々と言葉を交わしたとき、この町が持つ新しいものを生み出すエネルギーに満ちた空気にひかれて、工房を置くことを決めた。同工房では現在、東北出身などの若手職人3人がギター作りに精を出している。本社と販売拠点は仙台市内に置いた。

 同社のビジネスモデルは製造から販売までを一貫して自社で手がけるもの。ハンドメイドのギターでありながら、低価格で顧客に提供することが可能になった。デザインも革新的で、ギターの前部が空洞になっているものもある。そのギターが奏でる音は澄みわたった中にも、重厚感がある。

 「ビジネスモデルと製品で他社との差別化を図っている」と梶屋さん。販売は主に通信販売だという。

 同社の今後について、梶屋さんは「ギターの製品品目を増やすことによって事業の拡大を図っていく」と話す。現在、売り上げの2~3割を占めるという北米などの海外の顧客も拡大していく方針だ。 (塔野岡剛)

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 ◆梶屋陽介代表(34) 新しいものにチャレンジ 

 --なぜギターの製造・販売を

 「学生時代から趣味でギターを弾いていた。しかし、どうしても楽器関連の仕事をしたかったわけではなく、さまざまな業界の会社を受けた中の一つとして楽器店を選んだ。楽器店勤務時代に東京の楽器店街、お茶の水で得たノウハウは今に生きていると思う」

 --社名の由来は

 「楽器のセッション(合奏)と英語で『可能』という意味の『able』を組み合わせた造語。『GLIDE』は『GUITAR LIFE DESIGN』(ギター・ライフ・デザイン)のそれぞれの頭文字を取ったものだ」

 --ビジネスモデルの利点は

 「品質の良いギターを低価格で提供できること、製品の出荷期間を短くすることができる点だ。この業界は製品が均一化していて参入障壁が低い。だからこそビジネスモデルと製品で他社と差別化を図らなければならない。顧客の要望に最適な商品を提案することもできる」

 --工房は今後も女川で続けていくのか

 「女川で続けていこうと思っている。最初に女川を訪れたときに直感した、新しいものを生み出そうとするエネルギーを信じて、今後もチャレンジしていこうと思っている。事業を大きくすることで女川の発展にも貢献したい」

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 ■企業データ

本社・販売部は宮城県仙台市青葉区一番町2の7の5飯田ビル2階、(電)022・393・4540。製造部は同県女川町女川浜大原シーパルピア女川E棟19、(電)0225・98・7220。主力事業はエレキギターの製造・販売などの「GLIDE」。平成26年6月創業。従業員数7人。