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スキー客を長野に「楽しく」呼び込め 滑るゆるキャラ動画/冬の絶景パンフ

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スキー客を長野に「楽しく」呼び込め 滑るゆるキャラ動画/冬の絶景パンフ

 県内のスキー場は一部を除き滑走が可能な状態になり、観光関係者らは「恵みの雪」にホッと胸をなで下ろしている。そんな中、県やスキー事業者らでつくる「『スノーリゾート信州』プロモーション委員会」が取り組むPR手法に注目が集まっている。ゆるキャラがゲレンデでプロ顔負けの滑りを披露する動画を公開したり、スキーがほとんど紹介されないパンフレットを作成したり、「これまでにない斬新さがある」と評判を呼んでいる。「スキー休眠層」を刺激し、ゲレンデに呼び込めるか。

 ■キレッキレ

 ゆるキャラ動画のタイトルは「〔急上昇〕まさかあのコが!?キレッキレの滑走!“かわいい神滑り”」と遊び心たっぷり。1分12秒の編集で、県スキー場情報総合ポータルサイト「NAGANO SNOWLOVE.NET」(https//www.snowlove.net/)のフロントページで紹介している。

 登場するのは、県PRキャラクター「アルクマ」をはじめ、白馬村の「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男III世」、野沢温泉スキー場の「ナスキー」など9体。同委員会の呼びかけに快く応じて友情出演した。華麗な滑りを披露し、ゲレンデ整備やリフト乗り場の補助作業などに汗を流す様子がコミカルだ。

 テレビのPR番組制作のついでに撮影したため、実質的な制作費は「ほんのわずか」と事務局担当者。

 昨年11月初旬の軽井沢プリンスホテルスキー場(軽井沢町)で撮影したといい、背景が雪化粧された山々ではなく、紅葉なのが玉にきず。それでも視聴者には、スキーの醍醐(だいご)味がダイレクトに伝わる。

 担当者は「スキー王国のゆるキャラは滑りが違うところを見てほしい。本当に『キレッキレ』です」と話す。第2弾、第3弾の動画を制作すべく、アイデアを練っている最中だという。

 ■行きたくなる

 「雪と信州」と題したパンフレットは、一見するとスキー誘客用とは思えない編集内容だ。A4判24ページには、雪に染まった北アルプスの絶景や降り積もる雪、暖炉の炎、冬の温泉街やそばなどを紹介している。

 元モーグルスキー日本代表の上村愛子さんのロングインタビューなども掲載しているが、肝心のスキーについては、県内のスキー場を地図上で示しただけだ。

 「長野にはこれだけのスノーリゾート、スノーライフがあることを知ってもらえればうれしい」と担当者。県営松本空港を発着するフジドリームエアラインズ(FDA)の機内誌とともに各座席に備え付けられ、乗客の評判も上々だという。

 ■V字回復なるか

 今年は、バブル時代に爆発的なスキーブームを起こした映画「私をスキーに連れてって」の公開からちょうど30年。各地でさまざまな映画関連のイベントが行われ、盛り上がりをみせている。

 昨年12月に東京都内で開催されたFMラジオ局主催の特別上映会に同委員会も、冷え込むスキー人気を再燃させようとタイアップした。

 映画の主要ロケ地は、山ノ内町の志賀高原スキー場だったため、上映に先立つスペシャルトークショーには、元ノルディック複合日本代表の荻原健司さん(北野建設スキー部ゼネラルマネジャー)らが参加し、映画の思い出や冬の信州の魅力を語り、県内のスキー場をPRした。

 県内は昨シーズンまで2年連続で雪不足に泣き、来場者が減少しただけに、同委員会は「V字回復」の実現に懸命だ。担当者は「スキーの魅力を伝えるには、発信する側も楽しくないとうまくいかない」と話し、今後も遊び心をもってPRしていくと意気込んでいる(太田浩信)