産経ニュース

磯焼け原因のアイゴ、缶詰に 長崎鶴洋高、食害魚の漁獲促す

地方 地方

記事詳細

更新


磯焼け原因のアイゴ、缶詰に 長崎鶴洋高、食害魚の漁獲促す

実習でサバの缶詰を作る長崎県立長崎鶴洋高校の生徒 実習でサバの缶詰を作る長崎県立長崎鶴洋高校の生徒

 海藻が食い荒らされるなどし、岩肌がむき出しになる「磯焼け」の一因となっている食害魚「アイゴ」の漁獲を促そうと、長崎県立長崎鶴洋高校(長崎市)が缶詰開発に乗り出した。食用として敬遠される原因であった臭みを取り除き、実習で商品化を目指す。

 「磯焼け」は魚介類の成育環境に悪影響をもたらし、アワビや伊勢エビの漁獲量が減った事例も確認されている。水産大学校の野田幹雄教授によると、アイゴは体長30~40センチで沖縄から東北までの沿岸に生息する。長崎のほか、神奈川や静岡、徳島、宮崎の沖でもアイゴが原因とみられる磯焼けが起きている。

 長崎鶴洋高校では長年、食品製造を学ぶ水産科の生徒が実習でサバやサンマの缶詰を製造し、文化祭などで販売していた。長崎県漁連の元職員で磯焼け対策に取り組んできた西崎茂一氏(70)は昨年6月ごろ、「漁獲直後に内臓などの処理をすれば一定の臭みが取れる」と商品化を提案。缶詰製造を教えてきた吉田博文教諭らが「おいしい白身魚として使える」と判断した。

 吉田氏らは、みそやバジル、アヒージョ風などさまざまな味付けを切り身に施し、それぞれ缶詰にした試作品を製作。県や長崎市の担当者らを呼んだ試食会では「食べやすい」と好評だった。

 今春にも製造に入り、民間業者へのレシピ提供も検討している。水産科2年の森岡龍哉さん(17)は「食べられる魚が増えれば、(磯焼け対策だけでなく)他の魚種の乱獲抑制にもつながるはず」と期待をつなぐ。