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身近な薬草、健康支える 大阪から移住、美作の夫婦が活動

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身近な薬草、健康支える 大阪から移住、美作の夫婦が活動

 ノブドウ、ハギ、ドクダミ…。県北東部に位置する美作市には、多くの薬草が自生する。大阪から移住した松原徹郎さん(46)と妻の薬剤師、久美さん(46)は豊かな自然と昔ながらの知恵を活用し、地域住民の健康増進を目指して活動している。

 「これはニンドウ。殺菌効果があって古くから『医者いらず』と呼ばれている薬草。こっちの赤い実はナンテン。喉あめに使われるよ」。美作市上山地区にある自宅前の道端で、松原さんが次々と薬草を見つけ、説明してくれた。

 松原さんは平成25年、過疎地の活性化に取り組む「地域おこし協力隊」隊員として、大阪府高槻市から久美さんと子供3人と共に移住。里山の文化を守る活動が活発なところが気に入り、3年間の任期が終わった後も、荒廃した棚田の再生を進めているNPO法人「英田上山棚田団」の一員として残った。

 移住前の約20年間、環境コンサルタント会社に勤務し、全国各地で植物などの実地調査をした経験から、上山地区に自生する植物をリサーチ。薬効があるとされる約120種類が見つかり、自然の豊かさに驚いた。

 久美さんの薬剤師としての知識を生かし、20種類以上を乾燥させ、お茶にして販売を始めた。一緒に畑仕事をする地域の高齢者に気を配り、顔色が悪いなど気になるところがあれば、症状に合った薬草を選び「試してみて」と声を掛ける。「風邪をひきにくくなった」などと喜ばれているという。

 松原さんは「今は知っている人もほとんどいなくなってしまったが、身近な薬草を日々の生活に取り入れる『医食同源』は先人の知恵。植物の可能性を広く知ってほしい」と話している。