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廃線で一転、三江線盛況 観光振興のきっかけ期待

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廃線で一転、三江線盛況 観光振興のきっかけ期待

 広島県と島根県を結ぶJR西日本の三江線では、利用者数の低迷などで3月末で廃線となるのを前に鉄道ファンや観光客が殺到し、一転して盛況となっている。地元では廃線後の観光振興につなげたい考えだ。

 昨年12月、石見川本駅(島根県川本町)。定刻の午後0時18分から少し遅れ、上り列車が姿を現した。席に座れない乗客もおり、ドアが開くと降車する人の波が途切れず続く。「春に来たときよりも乗客が多くて驚いた」と、鉄道ファンの大学生、中村遼太郎さん(21)=東広島市。

 駅員の高野朗さん(54)は「2両で80席だが、始発の三次駅で150人以上の乗車と聞いている。多いときは200人近いこともある」と話す。

 駅で停車する約1時間半を地元PRにつなげようと、川本町観光協会が駅前で開く休憩所「おもてなしサロン」では、昨年3月末から「乗車記念切符」を配布。枚数は1万枚を超え、町役場職員も交代で運営を手伝う。

 同町まちづくり推進課で代替交通のバス運行計画策定に携わる中島拓也さん(33)は「廃線をきっかけに来ていただき、PRのチャンス」。バスを活用して観光客増加を目指す沿線市町は、広域連携の取り組みを本格化させた。中島さんは「旅行ツアーを組むことができれば」と期待を寄せる。

 JR西によると、三江線の1キロ当たりの1日平均乗客数を示す「輸送密度」は民営化以降、昭和62年度の458人をピークに減少傾向が続き、平成25年度には豪雨被害などもあって過去最低の44人に。その後、28年9月に廃線が決まった。