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明治維新150年、山口を盛り上げる 「胎動」や「発祥」の地をPR

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明治維新150年、山口を盛り上げる 「胎動」や「発祥」の地をPR

 間もなく訪れる平成30年は、明治元(1868)年から150年の節目となる。長州藩が明治維新を主導し、新政府の重要な地位を出身者が占めたこともあり、山口県内の自治体は、維新の「胎動」や「発祥」の地として、観光客の呼び込みに力を入れる。(大森貴弘)

 山口県下関市は13日、「維新150年」記念フラッグを掲出した。下関市中心部の海響館や海峡メッセをはじめ、JR下関駅や市役所周辺、長府地区の道路沿いを中心に250カ所で、旗がたなびく。

 フラッグは赤と青の2種類を用意し、高杉晋作が結成した奇兵隊や、幕末に地元で作られた長州砲などをデザインした。同じデザインの幟も約1千本作り、市内の公共施設に設置する。希望する企業や団体があれば、配布を検討するという。設置期間は30年12月下旬までとなる。

 同市は、長州藩と欧米4カ国による「下関戦争」を、明治維新の発端ととらえる。「維新発祥の地」として、歴史博物館での特別展やスタンプラリーなどの関連イベントを実施する。

 前田晋太郎市長は「維新150年は、観光客誘致の絶好のチャンス。まずは市民の機運から盛り上げたい」と述べた。

 江戸時代を通じて長州藩の藩庁が置かれていた同県萩市は、古い地図を持ち、ガイドと町歩きするイベントを連日、市内各所で開く。萩は古い街並みが残り、「江戸時代の地図が使える街」との評判があることから企画した。

 県内では岩国や山口、長門の各市なども、維新150年をテーマにした特別展を開催する。

 一方、山口県は「維新胎動の地」として、山口のブランド化を目指す。

 県は平成26年から「やまぐち幕末ISHIN祭」と銘打ち、旅行会社へのプロモーションを強化した。

 今年9~12月には、全国のJRグループと協力して、大型観光キャンペーンを実施してきた。ロゴマークなどのメインキャラクターに高杉晋作を起用。山口の魅力を伝えるPR動画も、ネットに公開した。JR系ホテルでの山口県産食材のフェアなども展開した。

 さらに山口県は、明治維新で大きな役割を果たした鹿児島、高知、佐賀の3県と「平成の薩長土肥連合」を結成した。4県をめぐると4万円相当の賞品が当たるスタンプラリーや、東京で維新ゆかりの地を歩くウオーキングイベントに協力して取り組む。

 県観光プロジェクト推進室の井上光宏・幕末維新プロジェクト班長は「観光客誘致と山口県PRの絶好の機会なので、手は緩めない」と語った。

 ■再攻勢を

 こうした取り組みで、どれだけの集客を見込めるのか。

 平成27年、幕末から明治維新を描いたNHK大河ドラマ「花燃ゆ」が放送された。ロケ地となった萩市を中心に観光客が増えた。

 日本銀行下関支店によると、27年中に山口県を訪れた観光客数は前年の延べ2900万人から149万人増加した。経済波及効果は138億円に上ったという。

 ただ、翌28年は観光客、宿泊者数とも減少に転じた。山口県は、一連の「維新150年」の取り組みで再攻勢を目指す。年間観光客数の目標は3300万人以上とする。

 日銀下関支店の担当者は「維新150年は県内各地でイベントがあり、期間も長い。『大河効果』より分散される可能性があり、蓋を開けてみないと分からない側面もあるが、何らかのプラスは見込めるはずだ」と語った。