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八幡平で住宅火災、3人死亡 親戚「助けたかった」

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八幡平で住宅火災、3人死亡 親戚「助けたかった」

 焼け跡から3人の遺体が見つかった住宅火災は21日未明、県最高峰、岩手山(2038メートル)を間近に望める八幡平市郊外の松尾寄木地区で起きた。畑と住宅が点在する一面の銀世界とは好対照な黒焦げの焼け跡と、消防、警察車両の赤色灯を無念そうに見つめる近所の住民の顔にはやり切れなさが漂っていた。

 「悔しい、こんな残酷な現場は初めて。新坂一典さんは従兄弟、実さんは伯父さん、ミサ子さんは伯母さんなんです」

 こう絞り出し、唇を噛んだのは119番通報し、自らも消火活動にあたった消防団員(41)。

 自宅は全焼した新坂さん方から、空き地を挟んで10メートルほど。「何とか助けたいと思ったが、もう真っ赤で手の施しようがなかった」という。新坂さん方近くの4戸はすべて親戚。本家筋にあたる新坂さん方が炎に包まれるのを見つめるしかなかった。

 焼け跡近くで呆然と立ち尽くしたのは一典さんの長男(19)。会社の仕事の合間を縫って駆け付けた。「最後に会ったのは11月中旬、将来は畑と家を継いでほしいと言われていた。まだまだ先だと思ってたのに…」とうつむいた。

 姉と妹がおり、21歳の姉が来春結婚することを今月に入って一典さんに報告したばかりだったという。

 薪ストーブのあった1階の台所付近の燃え方が最も激しかったといい、現場に近い気象庁の岩手松尾のアメダスによると、午前3時の気温は氷点下9・9度の厳しい冷え込みだった(石田征広)