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拉致啓発アニメ「いじめ生みかねない」 行橋市教育長が不適切発言

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拉致啓発アニメ「いじめ生みかねない」 行橋市教育長が不適切発言

 北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(53)=拉致当時(13)=を描いたドキュメンタリーアニメ「めぐみ」について、福岡県行橋市の笹山忠則教育長が、学校での上映によって、いじめを生む懸念があると市議会で発言したことが14日、分かった。「不適切だ」との指摘があり、笹山教育長は、発言を撤回した。

 笹山氏は12日の市議会本会議で、市内の小中学校で「めぐみ」の上映を行わない理由を問われ「(在日韓国・朝鮮人への)いじめが起こる懸念を排除することはできない」と答弁した。

 この発言に、拉致被害者の支援組織「救う会・福岡」などが、不適切だと指摘した。笹山氏は13日、「いじめの発生が排除できない、またはその懸念に関連するかのように受け止められる発言になってしまい、深くおわびする」として撤回を申し出た。

 「めぐみ」は平成20年、内閣官房拉致問題対策本部が製作した。拉致という犯罪行為によって引き裂かれた家族の苦悩や、被害者の救出活動を描く。文部科学省は同年4月、学校など教育現場での使用が適当な映像作品に選定した。

 拉致問題対策本部によると、全国の小・中学と高校計約3万7千校のうち、約6千校がこれまでに授業で活用したという。

 笹山教育長の発言について、拉致被害者を救う会会長の西岡力麗澤大客員教授は「拉致は政治問題でなく、重大な人権問題だ。教育を預かる者としての感覚が疑われる」と非難した。