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鹿児島の旧家に西郷の書「道は羊の腸のように」 西南戦争前の心境表す?

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鹿児島の旧家に西郷の書「道は羊の腸のように」 西南戦争前の心境表す?

薩摩川内市の旧家で保管され、西郷隆盛の直筆と判明した書 薩摩川内市の旧家で保管され、西郷隆盛の直筆と判明した書

 鹿児島県薩摩川内市の旧家で保管されていた書が、西郷隆盛の直筆と判明したことが、分かった。西南戦争の約2年前に記されたとされ、「世間を渡る道は曲がりくねっている」などと自身の人生とも重なるような内容だった。当時の気持ちを表したのではないかと、関係者の注目を集めている。

 市は近く、旧家付近の資料館で展示を始める。来年は明治維新150年の節目で、今回の発見が話題づくりの追い風になると期待している。

 市文化課によると、書は縦約2メートルの掛け軸。裏側の記述から西南戦争2年前の明治8(1875)年作とみられる。

 「世間を渡る道は羊の腸のように曲がりくねっている。功名は蝸(カタツムリ)の角の上のような狭い世界のことであり、つまらないものだ」という意味の明の政治家が残した漢詩が連なる。西郷の署名に当たる「南洲書」の文字も添えられている。

 明治維新で活躍した西郷は、征韓論をめぐる対立から新政府を辞し、鹿児島に帰郷した。市の担当者は「当時は頻繁に狩りに出ていた。案内者などに礼で書いたのでは」と推測した。志学館大の原口泉教授(幕末維新史)は「彼の紆余(うよ)曲折のあった人生のようだ。中央から遠ざかり、功名も自ら望んだわけではないとの気持ちを表そうと引いた一節だろう」と指摘した。

 書は「旧増田家住宅」の蔵で保管され、所有者から寄託された市などが今春に鑑定した。