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伝統的な発酵食品「へしこ」の塩分半分に 福井大開発、うま味増す

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伝統的な発酵食品「へしこ」の塩分半分に 福井大開発、うま味増す

減塩へしこを開発した(左から)末教授、土田さんと、製造販売する千鳥苑の石塚常務=福井市の福井大文京キャンパス 減塩へしこを開発した(左から)末教授、土田さんと、製造販売する千鳥苑の石塚常務=福井市の福井大文京キャンパス

 福井大は13日、福井の伝統的な発酵食品「へしこ」の塩分を50%カットする製法を開発したと発表した。脱塩による独自の製法で、へしこの味にうま味も加わって食べやすくなり、他の食材と合うため料理の幅が広がるとしている。開発を依頼した水産加工会社「千鳥苑」(美浜町)は「福大へしこ」として20日ごろに製造販売する。健康志向で塩分が高いへしこのニーズが下がっており、同社は今回の製法によって「子供たちにも食べてもらえる」と販売増を期待している。

 へしこはサバを塩に漬け水分をある程度抜いたあと、糠に漬けて1~2年乳酸発酵させる伝統食品で、独特の風味などがあり、塩分が高いのが特徴。酒のつまみや茶漬けなどで食べられる。今回の減塩へしこの開発は2年前に同社から依頼を受けた福大大学院工学研究科の末信一朗教授(応用微生物学)と福大工学部生物応用化学科4年の土田捺樹さんらが着手。発酵調味糠による低塩化に取り組んだが、塩分が低いためサバの身の水分を抜くことができず、身が柔らかく酸味が強くなった。

 このため、既存のへしこに酒かすと焼酎を併用して3日間ほど漬けて浸透力を利用して脱塩。塩分濃度が9・8%から4%程度に下がった。酒かすからのうま味が移り、食べやすくなった。ほどよい塩分があるためキッシュや生春巻きなどの料理にも使えるという。

 同社の石塚勲常務は「減塩へしこは当社の秘伝の味を落とさずにできた。東京での商談では食べやすくなっているとの評価を得た。子供にも味わってもらえる」と期待。通常のへしこ(半身)の1割程度高く千円程度で販売する予定だ。