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経営改善ノウハウ公開します 宇都宮の阿部梨園が農家支援でサイト開設へ

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経営改善ノウハウ公開します 宇都宮の阿部梨園が農家支援でサイト開設へ

 個人経営の梨園農家が経営改善したノウハウを公開するため、インターネットを通じた「クラウドファンディング」で資金を募ったところ、7日目で目標額の100万円を達成した。さらに内容を充実させることになり、クラウドファンディングの締め切り日の25日までに次の目標、300万円に向けて賛同者を募っている。(松沢真美)

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 クラウドファンディングで資金を募るのは宇都宮市下荒針町の阿部梨園。約50年続く梨農家で、現在3代目の阿部英生(ひでお)代表(40)が2・7ヘクタールの農地で生産している。生産、販売は安定はしているが、家族経営でもあり、組織やブランド戦略は手探り状態だったという。

 「自分一人で全て進めてきたので、発展するためには若い力が必要と思った」と阿部代表。将来を見据えて改善が必要と考えていたが、3年前、若者と仕事の現場をつなぐ「とちぎユースサポーターズネットワーク」の取り組み「ゲンバチャレンジ」に申し込み、現マネジャー、佐川友彦さん(32)が経営に加わることになった。

 二人三脚で450件以上の大小さまざまな業務改善を実行。まず記録を取る、スケジュールを管理するなど初歩から取り組み、3年で当初抱えていた問題の大半が解決。スマートな生産管理、経営管理、ブランド化に成功し、直売率99%を超えた。

 解決してきた課題は個人経営の農家にとって共通すると考え、成功に結びついた経営ノウハウを公開するプロジェクトを企画。450件以上の改善項目から100件を超えるノウハウを公開し、同業の農家が自由に活用できるサイトを立ち上げる。

 運営資金を集めると共にプロジェクトを広く知ってもらうため、賛同者をクラウドファンディングで募ることになった。11月13日公開、12月25日募集終了と設定したところ、11月19日に目標額100万円に到達した。佐川さんは「農業者からの切実な需要や業界外からの期待が多数寄せられた」とし、公共性の高いプロジェクトとしてコンテンツをさらに増やすために追加ゴール(300万円)を設定。継続募集している。サイト作成は今月から進め、来年4月にも公開する予定だ。

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【用語解説】クラウドファンディング

 インターネットでの資金調達。「クラウド」は群衆、「ファンディング」は資金調達。提案者がアイデアやプロジェクトを公開し、賛同した人から広く資金を集める。金銭的見返りのない「寄付型」、見返りが伴う「投資型」、提案者が提供する権利や商品の購入が支援となる「購入型」に分けられる。