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高知中心部にミニシアター 11年ぶり、安藤桃子監督が新設

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高知中心部にミニシアター 11年ぶり、安藤桃子監督が新設

 お年寄りとヘルパーの交流を描いた作品「0・5ミリ」などでメガホンを取った映画監督の安藤桃子さん(35)が高知市にミニシアター「ウィークエンドキネマM」をオープンさせた。市中心部の銀幕復活は11年ぶり。「街に映画文化を取り戻したい」と意気込む。

 イメージしたのは「映画に出てくるような映画館」だ。タイル張りのモダンな外壁に大きなアーチが特徴の正面玄関。35ミリフィルムの映写機を備え、音響にもこだわった。57人分の客席は近くの閉館した劇場から譲り受けた赤い椅子を並べた。

 安藤さんは「0・5ミリ」を撮影した高知へ2014年春に移住した。「独特の文化にほれたんです」。地酒を酌み交わしながら本音の議論を闘わせる高知ならではの土地柄に引かれた。

 同年秋には高知市の公園で半円形の野外ステージを利用した仮設の映画館を開設。「0・5ミリ」を先行上映し、2カ月で9千人以上が訪れた。

 高知の映画事情は厳しい。

 かつて県内にあった146の映画館は老朽化や大規模なシネコン(複合映画館)の台頭などで次々と閉館に。高知市中心部の商店街では平成18年以降、姿を消していた。

 「映画の本質をきちんと伝えられる映画館が必要。商店街活性化のためにも何かできないか」。6月に知人から、取り壊しの決まった古いビルの活用を打診され「高知の映画人口を増やしたい」と決心した。

 今の場所での営業は、取り壊しまでの1年限定。安藤さんが厳選した県内未上映の作品などを月に6~8本、月-木曜は午前中、金-日曜は終日上映する。将来的には父の俳優奥田瑛二さんや妹の安藤サクラさんらをゲストに呼び、無声映画の活弁士を務める構想も。「映画館を文化発信の拠点にしたい」と新天地に新たな将来像を描く。