産経ニュース

熊本産の生花売り込め 県の地産地消プロジェクト始動

地方 地方

記事詳細

更新


熊本産の生花売り込め 県の地産地消プロジェクト始動

クリスマスシーズンにぴったりのポインセチアの鉢植えが置かれた熊本ホテルキャッスル クリスマスシーズンにぴったりのポインセチアの鉢植えが置かれた熊本ホテルキャッスル

 熊本県が、県内のホテルなどで開かれるパーティー会場の飾り付けに、地元産の生花を使う「くまもと生花プロジェクト」を始めた。第1弾として熊本ホテルキャッスル(熊本市中央区)が、館内の飾り付けに名産のトルコギキョウやポインセチアを使っている。多くの人が集まるシーンを彩ることで、県産生花の周知と普及を図る。(谷田智恒)

 クリスマスを控えたホテルの階段沿いに、真っ赤なポインセチアの鉢植え51鉢が置かれた。いずれも熊本県山鹿市産で、色鮮やかな葉が見頃を迎えている。1階のレストラン入り口には、ボリューム感のある花びらが美しい「トルコギキョウ」を使ったオブジェが置かれている。熊本産のトルコギキョウは昨年、出荷量で全国1位となった。

 熊本ホテルキャッスル総務副部長の福岡真人氏(52)は「レストランなどの食材では、すでに地産地消を取り入れてきた。今回、県の提案を受けて生花も熊本産を積極的に使うことにした。ホテルで開かれる会議や式典、食事の場面に熊本の花を添え、顧客のもてなしにつなげたい。県産花を使う提案も、積極的に心がけたい」と話した。

 熊本では、昭和50年代後半から花き栽培が盛んになった。生産量は、切り花や洋花人気の流れに乗り、徐々に増えた。

 平成27年の生産農業所得統計によると、熊本の花の産出額は年間106億円だった。九州各県では福岡や鹿児島には及ばないが、全国11位に食い込む。

 品種別ではトルコギキョウや宿根カスミソウ、アリウムの出荷量は全国1位を誇る。ブーケなどに使われる湿地性カラーの出荷も2位となっている。カラーでは県独自の育成品種「ホワイトトーチ」と「ホワイトスワン」を開発した。

 一方、県内家庭の生花購入量(28年家計調査)は、全国35位と低迷する。「良い花がいっぱいあるのに県民に知られていない」(県農産園芸課)のが現状だ。

 さらに、輸入生花の増加や、少子高齢化の影響もあって、県産生花の消費は落ち込む。産地規模は縮小傾向にあるという。

 生花業界は危機感を高め、対応に乗り出す。

 県花き事業協同組合などは24年から、県の支援を受け、消費拡大を目指す「ヒゴニサクプロジェクト」を始めた。

 毎月7、8日を「くまもと花の日」とし、月ごとに推奨する生花の販売を、加盟店で強化した。生花にはあまり導入されていなかった産地表示なども充実させた。プロジェクト加盟店は県内28店舗に上る。

 花の地産地消を目指す「くまもと生花プロジェクト」は、蒲島郁夫知事が3期目の基本方針となる4カ年戦略で打ち出した。

 県内外から人が集まるホテルのロビーなどで、地元の花を飾り、1カ月ごとに花の種類を変更する。会議やパーティーでの、県産生花利用も呼びかける。県は29年度予算で、事業費120万円を計上した。熊本県花き園芸農協(熊本市南区)の岡本正己組合長(73)は「ホテルを拠点に県産花きの魅力を呼びかければ、良いPRになる。業界としても努力を積み重ねたい」と語った。

 熊本県は、平成31(2019)年のラグビーワールドカップや世界女子ハンドボール選手権の会場にもなる。こうした国際スポーツ大会での県産生花のPRも目指す。

 県農産園芸課課長補佐の内柴恵嗣氏(52)は「夏場は阿蘇、秋から冬にかけては平地物と、周年栽培できるのが熊本の生花の強み。ホテル業界を中心に、地域産業への波及を目指したい」と話した。