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左から来る車、高齢者注意を 道路横断中はねられ死亡8割 滋賀県警、事故状況分析

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左から来る車、高齢者注意を 道路横断中はねられ死亡8割 滋賀県警、事故状況分析

 県警が、直近の約5年間で道路横断中に車にはねられて死亡した65歳以上の歩行者の事故状況を分析したところ、約85%が左側から来た車にはねられていたことが分かった。身体能力の落ちた高齢者は横断に時間がかかりがちで、反対車線に差し掛かった際に、車にはねられたケースが多いとみられる。県警は反対車線の車の状況にも注意するよう呼びかけている。

 先月27日夕、彦根市新海町の県道を横断していた近くに住む無職の男性(93)が左から来た乗用車にはねられ、重傷を負う事故が発生した。現場は見通しの良い直線道路。男性は道路の中央付近を越え、反対車線に差し掛かった際にはねられたという。

 県警は、歩行速度の落ちた高齢者が安全に道路を横断するためには、渡り始めとは反対側の車線の車にも注意を払ってほしいと呼びかける。

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 高齢者が歩く速度はおよそ秒速1メートルとされる。片側1車線の道路の全幅を6メートルとすると、道路を渡り切るまでに6秒かかる計算だ。一方で、時速60キロで走る自動車が6秒間に進む距離は100メートル。高齢者は安全に道路を渡り切るために、少なくとも100メートル先の左から来る車に注意を払わなければならないことになる。

 公益財団法人「交通事故総合分析センター」(東京都)によると、高齢者は視力や聴力の低下などで遠くの車を見落とすことや、車両の速度や車両との距離を見誤ることがあるという。

 加えて身体能力の低下などで、横断途中は転倒を避けようと左右の確認がおろそかになる傾向があるといい、結果として接近して来る車に気付くのが遅れがちになることも、危険を増大させているという。

 同センターは「道路を横断するときは、反対側の車線の車もいなくなるまで待つこと、また、横断の後半は改めて左方向の交通状況の変化を確認することが重要だ」としている。

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 県警は身を守る手段として、夜間には衣服に反射材を付けることも有効としている。歩行者が反射材を着用している場合、ライトを下向きにした車が歩行者に気付く距離は、暗い色の服装のみを着用している場合に比べ、約2倍に伸びるという。

 人身事故に占める高齢者の割合(11月末現在)が39・6%と県平均(28・2%)を超え、県内で最も高い高島署では、啓発を強化。高齢者が気をつけるべきポイントとして、歩いているとき▽自転車に乗るとき▽左からの車▽ライトがつく時間帯▽近所への出歩き-への注意を呼びかけている。

 同署交通課の伊吹貴也課長は「夜間は必ず反射材を身につけた上で、道路を渡るときはできるだけ横断歩道を使い、横断中も左右の確認を忘れないでほしい」と話していた。