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東日本大震災6年9カ月 鉄都に響く“歓喜の歌” 釜石で新ホールこけら落とし

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東日本大震災6年9カ月 鉄都に響く“歓喜の歌” 釜石で新ホールこけら落とし

162人の合唱団が新たなホールで「第九」を歌い上げた=10日、岩手県釜石市(千葉元撮影) 162人の合唱団が新たなホールで「第九」を歌い上げた=10日、岩手県釜石市(千葉元撮影)

 発生から6年9カ月がたった東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市で、被災した市民文化会館に代わる新たな文化芸術の拠点「釜石市民ホール」が完成、「かまいし第九の会」によるこけら落とし公演が行われた。津波に襲われ拠点のホールが失われても、市民は絶やすことなくメロディーを紡いできた。今年は40回目のメモリアル公演ということもあり、生まれたてのホールで文化再生への序曲が高らかに奏でられた。(千葉元)

                   

 同市の第九公演の始まりは昭和52年に遡(さかのぼ)る。発起人は同市天神町の宝樹寺で住職を務めていた渡辺顕麿(あきまろ)さん(平成8年死去)。都内で教鞭(きょうべん)を執る傍ら、「東京荒川少年少女合唱団」を育てた。帰郷後に、30人にも満たない小さな混声合唱団をつくって指導、最初の公演を開いた。伴奏の楽団はわずか6人だった。昭和53年には「第九を歌う会」を結成。合唱団は100人を超え、当時の市民文化会館落成記念式典を飾った。

 「復興釜石新聞」編集長で実行委員会会長の川向修一さん(65)は、立ち上げ当時を地元紙記者として取材した。渡辺さんの「君もやりたまえ」の一声で、事務局で運営に携わるようになった。以降、毎年大ホールを多くの聴衆で埋め尽くす釜石に欠かせない行事に育て上げてきた。

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