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平城京の邸宅跡から「宮寺」墨書土器が出土 「木簡学会」で報告

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平城京の邸宅跡から「宮寺」墨書土器が出土 「木簡学会」で報告

 全国で出土した木簡について検討する「木簡学会」の研究集会が奈良市の奈良文化財研究所で開かれた。「五大力菩薩」と記された木簡の役割について研究者が発表したほか、今春に平城京跡から貴族邸とみられる建物跡とともに出土した「宮寺」などと墨書された土器の報告もあった。

 研究集会で、鈴木景二・富山大教授は「中近世の輸送と呪符」と題して木簡に書かれた「五大力菩薩」の意味について発表。荷札にみられる事例を取り上げ、輸送安全を目的としたことなど、変遷を考察した。

 奈良市埋蔵文化財調査センターの永野智子主事は、平城京の都市区画で「左京二条四坊十坪」に当たる調査地(奈良市法蓮町)から、一町規模とみられる邸宅跡とともに出土した木簡1点と墨書土器63点について報告した。

 底部に「宮寺」と書かれたとみられる土器は、2棟を一体利用した建物跡よりも時代をさかのぼる奈良時代中頃の遺構から出土。宮寺は、調査地西方にある法華寺の前身で、藤原不比等(ふひと)邸を娘の光明皇后が受け継いだとされる。また、「菅家」らしい墨書土器も同時代後半の土坑から見つかり、これらは居住者と関係する可能性もあるという。