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【開幕間近 平昌五輪をゆく】(上) 現地ようやく盛り上がり 新潟

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【開幕間近 平昌五輪をゆく】
(上) 現地ようやく盛り上がり 新潟

 ほぼ2カ月後の来年2月9日、韓国で平昌(ピョンチャン)五輪が開幕する。11月下旬、主な五輪関連施設が整う北東部の平昌と江陵(カンヌン)を訪ねた。西端の仁川(インチョン)国際空港から半島を東に車で横断し、3時間余り。北緯は本県とほぼ同じだ。韓国初の冬季五輪ながら国内での関心が高まっていないと伝えられていたが、現地では「ここにきて盛り上がってきた」との声も聞かれた。(市川雄二)

 ◆ダウンコートに行列

 平昌はジャンプやアルペンなどのスキー競技、平昌から35キロ離れた東海岸の江陵はフィギュアなどスケート競技が行われる。

 現地に入った11月28、29の両日、晴れ上がった平昌は日中でも気温5度に達しないものの、風は弱く、新潟市よりやや寒いといった程度に感じた。

 開会式と閉会式の会場となる五角形の平昌五輪スタジアムは9月末に完成したばかり。地上7階建てで、3万5千人を収容できる。客席後方から眺めてもグラウンドとの距離感が近い。五角形は、文化▽経済▽情報通信技術(ICT)▽平和▽環境-という大会の5つの目標を表現したという。建設費は約635億ウォン(約63億円)。平昌五輪広報担当マネジャー、ノ・ファンヒ氏(32)は「観客が舞台に集中できるように作った」と胸を張った。

 グラウンドに設けられるステージは工事中で、クレーン車が入っていた一方、普段は白い覆いで隠しているという聖火台が露わになっていた。積もった雪を取り除く一時的な処置らしく、見ることができて幸運だった。どんな開会式になるのか。「私も知りたい」とノ氏は笑って返した。

 現地での盛り上がりはどうか。首都ソウルでは公式ライセンス商品のロングペディング(ダウンコート)が人気で、11月には百貨店で長蛇の列ができたという。ノ氏は「午前10時の抽選に4時から行列ができ、ルイ・ヴィトンを求める光景のようだった」と話す。

 地元の平昌は人口5万人に満たない小さな郡。スタジアムの周辺を歩いていた主婦、李高月(イコウウォル)さん(73)は「以前より盛り上がってきた」とした上で「道路がきれいに整備され、暮らしやすくなった」と五輪効果を喜んだ。至る所で「HAPPY700」という表記が目に付く。通訳案内士の金美京(キムミギョン)さん(50)が「平昌は人が住むのに理想的といわれる海抜700メートルに位置しているから」と数字の意味を教えてくれた。

 ◆入場券販売まだ5割

 平昌から車で30~40分の江陵に移動した。温暖な地域で、気温は12度に上がった。フィギュアスケートなどが実施されるアイスアリーナ、スピードスケート競技場などが、東京ドーム8個分の五輪公園内に立ち並ぶ。全てが大きく圧倒される。このうち、1万人収容のホッケーセンターの内部が公開されていた。

 新潟市にはロシアのフィギュアスケート選手が事前合宿に入る可能性がある。駐新潟韓国総領事館主催の視察団に加わった新潟市スポーツ推進課の中村篤史主幹(45)は「アイスアリーナの中を見ることはできず残念だったが、全体の雰囲気を選手に伝えたい」と話した。

 競技会場は江陵の南に位置する旌善(チョンソン)を含めて12カ所あり、入場券は11月28日現在で107万枚のうち55万5千枚が売れ、販売率は52%。ノ氏は「十分ではないが、急ピッチで売れている」と意に介さない。むしろ運営面で「ちゃんとコントロールできるのかが気になる」と懸念を口にした。