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埼玉の薬局と桐材店タッグの「くすりばこ」、グッドデザイン賞に

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埼玉の薬局と桐材店タッグの「くすりばこ」、グッドデザイン賞に

 ■地域活性100年企業の思い

 俺たちが地元を元気にする-。県北部でいずれも創業100年を超す薬局と桐材店がタッグを組み、桐箱にサプリメントを入れた「ふかやのくすりばこ」を開発、今年のグッドデザイン賞に選ばれた。「地元がかつてのにぎわいを取り戻さなければ、われわれも成長できない」という危機感が、老舗企業の幹部を突き動かした結果だ。 (大楽和範)

 「昔はどの家にも薬箱があり、町の薬局を通じて人々のコミュニケーションがあったが、ドラッグストアの進出で町のコミュニケーションが減ってしまった」と嘆くのは、大正2年に現在の深谷市に薬局として創業した大慶堂の岡正純取締役(37)。「再び町の人々をつなぐきっかけをつくりたい」と常々考えていたが、1年ほど前、本庄市の関根桐材店の関根紀明代表(52)と知り合った。

 仲を取り持ったのは、早稲田大や県、本庄市などでつくる研究機関「本庄早稲田国際リサーチパーク」。明治33年に創業した同社の関根代表も「以前は近隣に同業者が多くいたのに、今はゼロ。逆境にめげず、地域を盛り上げたい」と“反転攻勢”を考えていたのだ。

 何かできないか-。2人が出した答えが、ふかやのくすりばこだ。関根桐材店の製造・販売する「コーヒーキャニスター」(コーヒー豆を入れる容器)に手を加えた桐箱に、大慶堂が素材から厳選した5種類のサプリメントを入れることにした。

 アイデアが決まると、「だらだら時間をかけても意味がない」と、今年のグッドデザイン賞への応募を目標にスケジュールを立てた。締め切りまで3カ月。中身のパッケージを取りやすくするため、連日1ミリ単位の調整を繰り返し完成にこぎつけた。

 11月、ふかやのくすりばこはグッドデザイン賞を受賞。現在、販売戦略を練っており、年明けの発売を予定している。

 関根代表は「昔から桐の箱に薬を入れてきた歴史があり、もともと相性が良い。これは面白いと思った」と振り返る。岡取締役は「サプリメントを補充するたびに、町にコミュニケーションが生まれればうれしい。いずれは海外でも販売できれば」と期待を込める。

 主に家族や友人への贈答用としての需要を見込み、価格は桐箱にサプリメント5種類が2セット入って5千円を想定している。