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九州北部豪雨38人目の犠牲者 朝倉の岩下君枝さん、気遣い細やかな84歳 

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九州北部豪雨38人目の犠牲者 朝倉の岩下君枝さん、気遣い細やかな84歳 

 九州北部豪雨から約5カ月の6日に死亡が確認された福岡県朝倉市の岩下君枝さん=当時(84)=は、いつも気丈に振る舞いながら、細やかな気遣いを忘れない性格で、周りから慕われていた。

 親族らによると、夫とその兄の介護を「弱音一つ吐かずにやり切った」。約2年前に夫を亡くし1人暮らしとなった後は、元気づけようと親族が頻繁に泊まりに来ていた。

 「1人だけど大丈夫よ」。豪雨が発生した7月5日も親族が次々に電話したが、岩下さんはそう繰り返した。しかし別に暮らす息子と話している最中、「あっ」という声を残して電話が切れ、連絡が取れなくなった。

 犠牲者の一人で同じ市内に住む孫のひとみさん=当時(36)=は岩下さん宅に車で向かう途中、被害に遭ったとされる。

 岩下さんは、日本料理店で長年働き、料理の腕は近所でも評判だった。おいの仲道正明さん(70)は「大人になってもかわいがってくれた。病気の妻を気遣って野菜を届けてくれたこともあった」と語った。旅行に一緒に行くこともあったが、ひざを痛めた岩下さんを気遣い、最近は誘うのを控えていたという。

 「5月の藤見物も一緒に行けば良かった」。仲道さんは涙ぐんだ。