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【みちのく会社訪問】岩手革(盛岡市) 短角牛で高品質なレザー製品づくり」が目標

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【みちのく会社訪問】
岩手革(盛岡市) 短角牛で高品質なレザー製品づくり」が目標

 岩手の代表的なブランド牛「短角牛」の皮で高品質なレザー製品づくりを目指しているのが岩手革。平成28年10月に居酒屋や広告代理店も手がける中村俊行代表(36)が起業した。今年4月からインターネットを中心に“いわて短角牛レザー”のブランド名で財布や名刺入れの販売を始めた。

 短角牛の赤身が多いヘルシーな肉ではなく、皮に注目したのは中村代表ならでは。趣味のバイクツーリングで普段から革製品に親しみ、経営する焼肉居酒屋「原価市場」で取り扱う短角牛にも精通していた。起業欲旺盛で「岩手の良いものを広めたい」と願う中村代表のひらめきにつながった。

 ヒントは短角牛の飼育方法にあった。短角牛は夏場に山へ放牧される。世界最高峰のイタリアンレザーの原皮は地中海沿岸で放牧され、のびのびとストレスなく健康に育った健康な牛。同じような環境で育った短角牛の皮で原料を海外に頼らない純国産の高品質なレザー製品づくりを思い立った。

 「親子三代は使えるものを」という中村代表の信念で、原材料は海外スーパーブランドの革なめしを担当する企業に依頼。自ら企画した革を縫い合わせない無縫製のシームレス名刺入れ、ラウンド長財布、小銭入れ、盛岡市在住のアーティスト、松嶺貴幸さんデザインのラウンド長財布を販売。斬新なシームレス名刺入れは平成29年度いわて特産品コンクールで知事賞を獲得するなど、品質も折り紙付きで、期待のブランドだ。 (石田征広)

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◆「親子三代使える」が目標 中村俊行代表(36)

 --居酒屋に広告代理店、いろいろと手がけていますね

 「好奇心旺盛なんです。盛岡工業高校の情報技術専攻を卒業したんですが、何か起業したくて、資金づくりのため関東自動車(現・トヨタ東日本)で期間工をやり、総合広告社で求人情報誌、リクルートで飲食店を紹介する雑誌の営業をやりました。居酒屋も広告代理店もその延長線なんです」

 --いわて短角牛レザーは何が発端でしたか

 「早坂高原(久慈市)をツーリング中に道の真ん中で短角牛と出会ったんです。焼肉居酒屋を経営していましたから短角牛は知っていました。レザー製品も好きで国産革も原材料は海外に頼っていることも知ってました。3年前に農家が生産を辞めたことで麦香豚ブランドが消えたのを目の当たりにして、いわての財産でもある短角牛のブランドをもっと広めたい思いからでした」

 --親子三代使える品質を目指したのは

 「実は有名なバッグのブランドを紹介した文章の中に出てきたんです。うろ覚えですが、そのブランドは高価で知られ、その理由が親子三代で使えるからこの値段になったというんです。丈夫で高品質なものをという意味で、短角牛なら純国産の高品質なレザー製品ができると思ってましたから。シームレス名刺入れも革製品は縫い目から破れやすいことを知っていたので、縫い目を無くせばよいという発想から生まれました」

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 ■企業データ 本社は盛岡市下太田下川原65の2。革製品の製造販売業。従業員5人。岩手県内の百貨店などでも扱っているが、販売は主にインターネット。(電)019・613・5130。ホームページはhttp://www.iwategawa.jp/