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鹿児島の医師、施設の児童に朝食を 「微笑みバイキング」プロジェクトが始動

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鹿児島の医師、施設の児童に朝食を 「微笑みバイキング」プロジェクトが始動

「微笑みバイキング」プロジェクトのチラシを手にする堂園晴彦氏=鹿児島市の堂園メディカルハウス(谷田智恒撮影) 「微笑みバイキング」プロジェクトのチラシを手にする堂園晴彦氏=鹿児島市の堂園メディカルハウス(谷田智恒撮影)

 鹿児島市の医師、堂園晴彦氏(65)が、児童養護施設に入所する子供に、同市の名門「城山観光ホテル」の朝食を楽しんでもらう「微笑(ほほえ)みバイキング」プロジェクトを始めた。「鹿児島の子供は鹿児島の地域全体で支えるのが理想」と、広くサポートを呼びかける。(谷田智恒)

 堂園氏はJR鹿児島中央駅近くで、がん治療や緩和ケアを手がける診療所「堂園メディカルハウス」を運営する。

 医療だけでなく、地域貢献に努める。多様な世代が助け合う「長屋」暮らしを現代によみがえらせようと、診療所の隣接地に、賃貸住宅「ナガヤタワー」を建設して“大家”も務める。住宅内では、子供は無料、大人300円で食事ができる「ナポリ通りのこども食堂」も展開する。

 鹿児島県などによると、県内には14の児童養護施設があり、経済的理由や児童虐待などさまざまな事情で親と暮らせない約800人の子供が、施設で生活する。

 堂園氏は「施設の子供は毎日給食で『今日はハンバーグが食べたい』と思ってもかなわない。時には、好きなものを好きなだけ食べるという夢を実現させたい」と、ホテルの朝食バイキング招待を考えた。

 今年10月頃、知人でもある城山観光ホテルの東清三郎社長に相談した。同ホテルの朝食バイキングは、和食と洋食合わせて80種類もの品数がある。口コミサイト「トリップアドバイザー」による「朝食のおいしいホテルランキング」でも、毎年上位にランクインする。

 堂園氏が「ホテルの食事は子供の思い出に残る」と提案したところ、東氏も協力を快諾したという。

 通常は小学生1千円、中・高校生2500円だが、児童養護施設の子供に限り小学生500円、中高生1千円とする。

 一つの施設の子供を10人前後に分けて、朝食バイキングに順次招待する。第1弾として今月は三州原学園(鹿児島市吉野町)を対象とした。初の開催日となった3日、同学園の学童10人が施設職員の車でホテルに行き、朝食を楽しんだ。10、17日にも残る子供を招待する。

 同学園副園長の南琢磨氏(65)は「一流ホテルで豪華な食事をすることができ、参加した子供も喜んでいた。非常にありがたい」と語った。

 「鹿児島の子供を、地元の大人が支える態勢をつくりたい」。堂園氏は、微笑みバイキングへの資金協力も募る。

 施設で暮らす800人をすべて中高生としても、費用は計約80万円。寄付によって、1施設当たり2~3年に1回の割合でバイキングに招待したいという。

 「足りなければ私が負担するが、地域が目の前の子供をサポートする仕組みを作りたい。地域で支えてもらった子供は、必ず地域に恩返ししてくれる」と、支援を呼びかける。

 微笑みバイキングの専用寄付口座を鹿児島県の主要金融機関に開設し、1口千円で寄付を受け付ける。口座番号は南日本銀行本店営業部 普通1479996▽鹿児島銀行吉野支店 普通3044415▽鹿児島相互信用金庫武町支店 普通1219627。

 問い合わせは堂園メディカルハウス(電)099・254・1864。