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宮城・南三陸でマダコ大漁続く 水揚げ量3倍以上 アワビ不漁懸念も

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宮城・南三陸でマダコ大漁続く 水揚げ量3倍以上 アワビ不漁懸念も

 刺し身や煮物、おでんなどで、冬の食卓を彩るマダコの大漁が続いている。あまりの豊漁のため、例年より1月前倒しの10月にマダコ漁を解禁。南三陸町の地方卸売市場の同月のマダコの水揚げ量は、約115トンと前年11月の約33トンの3倍以上。昨年度全体の64トンと比べても大きく上回っている。一方で、マダコが好むアワビの不漁を心配する声もある。(林修太郎)

 マダコは、ほかの産地での不漁の影響で、1キロあたり850円程度(昨年11月で690円程度)と価格も安定しており、産地である三陸沿岸は沸いている。先月16日に同市場に水揚げされたマダコは約3トン。2キロ程度の重さのものが多く、大きさは平年並みという。県漁協志津川支所の斎藤正明さん(49)は「漁業関係者にとっても、街にとっても良いことだ」と歓迎している。

 南三陸町によると、大漁の理由について、海水温の上昇が関係しているとみられるが、はっきりとはわかっていないという。担当者は「マダコは冷水に弱い。海水温が上昇したことで越冬したマダコがいるのではと推測する人もいる。だが、穫れているマダコの大きさはそこまでではない」と首をひねる。

 思わぬ豊漁に、冷静な意見もある。ある同町の鮮魚店店主は「もうかっているのは漁師だけ」とこぼす。また、マダコは三陸の特産であるアワビを好んで食べるため、マダコに食べ尽くされてアワビが不漁になるのではと懸念する向きもある。

 斎藤さんは「ある程度の水揚げがあれば次の年は少ないというのが通常だが、最近は続けて穫れるようになってきた」という。津波で1度荒れた海が、徐々に回復してきた実感があるといい、「震災直後はほとんど穫れなかった。地道ながれき撤去などが実ってきたのかもしれない」と話した。