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播州そろばん次世代に 元プログラマー、小野で修業 「新たな魅力も発信したい」

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播州そろばん次世代に 元プログラマー、小野で修業 「新たな魅力も発信したい」

宮本一広さん(奥)に弟子入りしてそろばんづくりの腕を磨く高山辰則さん=小野市 宮本一広さん(奥)に弟子入りしてそろばんづくりの腕を磨く高山辰則さん=小野市

 職人の高齢化と後継者不足が問題となっている小野市の伝統工芸品「播州そろばん」を次世代に引き継ごうと、元コンピュータープログラマーの高山辰則さん(42)=同市市場町=が、熟練の職人のもとで修業に励んでいる。高山さんは「播州そろばんの伝統と技術を守りつつ、時代に応じた新しい可能性を模索していきたい」と思いを語る。

 市などによると、播州そろばんは400年以上の歴史があり、国の伝統的工芸品にも指定されている。昭和35年の最盛期には年間約360万丁を生産していたが、電卓やパソコンの普及で現在は約7万丁まで落ち込んでいる。

 いまだに国内生産量の7割を占めるが、市内の職人の平均年齢は75歳と高齢化が進んでおり、後継者育成が課題となっている。そこで市と播州算盤(そろばん)工芸品協同組合が連携し、平成26年から全国に後継者の募集を始めた。

 高山さんは神戸市内のIT企業でプログラマーとして勤務していたが、播州そろばんの後継者募集を知り、「地元の伝統を守っていきたい」と6年間勤めたIT企業を退社。26年8月から「宮本算盤工房」(小野市天神町)の伝統工芸士、宮本一広さん(77)のもとに弟子入りし、そろばんづくりの技を磨いている。

 そろばんづくりは大きく分けて4工程に分かれており、高山さんは玉の通る軸や、そろばんの枠を加工して組み立てていく「組み立て」作業を担当している。

 「そろばんは弾いたとき、いかに玉が動いて吸い付くように止まるかが重要」と宮本さん。高山さんは宮本さんの指導を受けながら、軸の太さや枠にゆがみがないかを入念にチェックし、紙やすりで磨きながら厚みを調整している。

 「一つ一つの作業に対する心得を師匠から日々学んでいる。早く一人前になって工房を持ちたい」と話す高山さん。そろばんを活用したアクセサリーや置物など新しい挑戦にも意欲を見せており、「多方面からそろばんの魅力を発信していきたい」と力を込めた。