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被爆樹木核廃絶の願い託す 9日オスロの植物園に「種」寄贈

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被爆樹木核廃絶の願い託す 9日オスロの植物園に「種」寄贈

 非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN(アイキャン))へのノーベル平和賞授賞式前日の9日、式典が開かれるノルウェー・オスロで、広島原爆を生き抜いた「被爆樹木」の種がオスロ大植物園に寄贈される。被爆者や広島、長崎の両市長が立ち会い、核廃絶への願いを託す。

 被爆樹木の保存活動をしている広島市の市民団体「グリーン・レガシー・ヒロシマ・イニシアティブ」(GLHI)によると、種は広島市中心部にあるイチョウ、クロガネモチ、エノキ、ナツメの4種類の木から採取した。植物園から提供依頼があったという。

 9日は植物園で贈呈式が開かれ、ノルウェーのイングリッド・アレクサンドラ王女が招待される。松井一実広島市長が種を手渡し、鉢に植えてもらう予定だ。

 ICANの川崎哲国際運営委員や、授賞式に合わせて現地を訪れる20人以上の被爆者も参加する。

 親木のイチョウは、爆心地から約1・4キロの庭園「縮景園」にある。樹齢は推定200年以上で、高さ約17メートル。爆心地側の表面には傷痕が残る。葉は少ないが、今年もきれいに色づいた。

 秋に赤い果実を付けるクロガネモチは爆心地から約0・9キロの広島城内で、エノキは約0・5キロの「白神社」前で、ナツメも約1・4キロの平和大通りの緑地で根を張り続けている。

 GLHIのコーディネーター、渡部朋子さんは「被爆者と同じく傷つきながらも生き抜いた樹木は尊い存在。核を廃絶し自然と共生する、より良い未来へのきっかけとなってほしい」と期待している。

 王女には、広島で被爆し、闘病中に回復を祈って折り鶴を作りながら、12歳で亡くなった佐々木禎子さんの物語を描いた絵本をプレゼントする。