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ハウステンボス、成長路線転換点に 9月決算増収増益も伸び鈍化

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ハウステンボス、成長路線転換点に 9月決算増収増益も伸び鈍化

決算について説明するハウステンボスの沢田秀雄社長(左)=長崎県佐世保市 決算について説明するハウステンボスの沢田秀雄社長(左)=長崎県佐世保市

 ■沢田社長「経営を若手に任せる」

 長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボス(HTB)は4日、平成29年9月期決算(昨年10月~今年9月、単体)を発表した。増収増益を達成したが、入場者数は288万人で、熊本地震前の27年度(26年10月~27年9月)の310万人に及ばなかった。HTBは旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)傘下に入って以降、業績改善を続けたが、成長路線は転換点に直面したといえる。 (高瀬真由子)

 記者会見した沢田秀雄社長は「去年より少し数字は良かったが、前半は熊本地震の影響が残り、大変な期だった」と感想を語った。その上で、「経営を若手の経営陣に任せていきたい。僕がいなくても発展する体制をつくるのが次の仕事だ。できれば1~3年でバトンタッチしたい」と述べ、新体制への移行を進める考えを示した。

 決算をみると、売上高は前期比1・9%増の291億円、最終利益は前期の3倍となる66億円だった。前期に大型旅客船の減損処理を行っており、利益が大幅に増加した。

 ただ、年間入場者数は288万人だった。前期比では0・5%減とほぼ横ばいだが、昨年11月に発表していた見込み数字は341万人だった。この目標を15%下回った。夏のナイトプールなどが好調だったが、前半に熊本地震の影響が残ったという。

 入場者数については、今後の見通しも低めに設定し、30年度は302万人とする。業績予想は、売上高が3・5%増の301億円、営業利益は5%増の79億円とした。

 沢田氏は「入場者は300万人前後まできた。これから急激に伸ばすことは、できないこともないが、負担もかかる」と課題を口にした。

 HTBがHIS傘下に入り、8年目を迎えた。

 閉園すらささやかれた過去に比べ、新たなイベントやアトラクションを矢継ぎ早に打ち出し、パークは元気を取り戻した。

 再建に道筋はついたが、長崎の西の端にあるHTBはもともと、首都圏や関西圏と比べ周辺市場が小さい。

 今後は設備投資の費用対効果を見極めなければならず、HTBは岐路に立つ。沢田氏は、連結での業績向上に力を入れる考えも示した。

 それでも、HTBのキーワードは、従来と同様に「オンリーワン」「ナンバーワン」だ。ロボットが接客する「変なホテル」は、稼働率が堅調で、来年末ごろにHTB敷地内に3期棟を建設する。HISグループと合わせ、現在、全国に10カ所程度建設する計画があるという。

 27年に取得した大村湾の無人島「長島」(長崎県西海市)では、仮想現実(VR)を使った体験型アトラクションを計画し、来年のゴールデンウイークにプレオープンする。

 ただ、沢田態勢が転機を迎えたのは確かだ。沢田氏が社長を務めるHISの業績に最近、陰りが出ていることも影響する。沢田氏は「HISを再び伸ばす作戦で、そちらに僕の力の6割から7割を注ぎ、HTBは2、3割になる。HTBにくる時間は、これまでの半分から3分の1くらいに減らす」と語った。