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【信州ワイド】単身高齢者向け空き家活用制度スタート 無料相談や相続手続き助言

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【信州ワイド】
単身高齢者向け空き家活用制度スタート 無料相談や相続手続き助言

 ■県、9団体で積極サポート

 賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな国の制度が始まった。少子高齢化の進展とともに、増加する一方の空き家。住む人がいないまま荒廃する空き家の維持に悩む所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙いだ。県内でも空き家問題は深刻化しており、無料で電話相談に応じ、相続手続きを助言するなど積極的にサポートする動きが出ている。

 ■家賃補助

 65歳以上の単身世帯は平成27年の601万世帯から、47年には762万世帯に増える見込み。だが、単身高齢者や所得の低いひとり親世帯などは、賃貸住宅への入居を希望しても、孤独死や家賃滞納のリスクがあるとして、入居を断られるケースが多い。

 新たな制度は、4月に成立した改正住宅セーフティーネット法に基づき、空き家などの所有者が賃貸住宅として都道府県や政令市、中核市に届け出る。

 登録条件は(1)高齢者らの入居を拒まない(2)床面積25平方メートル以上(シェアハウスは専用部分9平方メートル以上)(3)耐震性がある-など。自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開。物件が適正かどうか指導監督したり、入居後のトラブルに対応したりする。

 耐震改修やバリアフリー化が必要な場合は、所有者に最大200万円を助成。低所得者の家賃を月額4万円まで補助したり、連帯保証を請け負う会社に支払う債務保証料を最高6万円助成したりする仕組みも設けた。

 このほか社会福祉法人やNPOを「居住支援法人」に指定。同法人や自治体、不動産関係団体などで構成する居住支援協議会を自治体ごとに置き、物件探しや入居者とのマッチングも行う。

 ■本県は全国2位

 総務省統計局が5年ごとに行う住宅・土地統計調査によると、25年10月1日現在で全国の空き家は820万戸で、20年前の約1・8倍に急増している。

 県内も別荘などを含む25年時の空き家は19万4千戸、空き家率は19・8%に上り、山梨県に次いで全国2位。別荘などを除いた空き家は14万3千戸、空き家率は14・6%で全国16位だった。

 県内では独自の取り組みとして、空き家問題に対するサポートの動きが活発化している。

 県は、県建築士会など9団体で県空き家対策支援協議会を設置。空き家を賃貸や売買で活用するほか、管理や解体の相談窓口などを開設している。各市町村も空き家バンクを通じ、情報提供する取り組みを進める。

 県青年司法書士協議会も12月3日、同会として初めて無料電話相談「空き家問題110番」(フリーダイヤル0120・448・788)を開設する。専門家の立場から相続手続きをアドバイスしたり、市町村などが実施する空き家バンクを紹介したりする。匿名でも可能で、秘密は厳守する。

 賃貸住宅の入居拒否問題 日本賃貸住宅管理協会が行った調査では、1人暮らしの高齢者の入居に拒否感がある大家は65%、高齢者のみの世帯では55%、ひとり親世帯は14%となっている。実際に60歳以上の単身者の入居を断っている大家は11・9%、高齢者のみ世帯では8・9%。入居を制限する理由は「家賃の支払いに関する不安」(57・3%)が最多で、「居室内での死亡事故等への不安」(18・8%)もあった。