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【秋田県民の警察官 受章者横顔】(下)五城目署交通係長・進藤正志警部補(59)

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【秋田県民の警察官 受章者横顔】
(下)五城目署交通係長・進藤正志警部補(59)

 ■「一件でも多く事故減らす」

 交通事故を、起こそうと思って起こす人はいない。誰もが加害者にも被害者にもなりうる。そして事故の悲惨さは関係者の人生を狂わせる。「だからこそ、一件でも多く事故を減らしたい」と力を尽くしてきた。

 警察官の制服姿に憧れて勤続36年、うち23年を交通部門に従事、12年が事故事件の捜査担当だ。新人時代、赴任した現在の仙北市内の交番が管轄する幹線道路で、多くの交通事故を目の当たりにした。現在より道路環境が悪く人口も多かった分、連日のように重傷や死亡事故が起きていた。

 初動捜査は素早く行い、当事者に的確な事情聴取をして、速やかな現場処理を行って総合的に判断する。「殺人や窃盗といった事件とは違うが、性に合っていた」。緻密な捜査が信条だ。

 印象に残っているのは昨夏、潟上市で起きた、バイクに乗った男性が前方の車に追突して転倒、後続の車2台にひかれて亡くなった事故だ。「バイクの破片が広範囲に飛び散る悲惨な現場だった」と振り返る。致命傷はどちらの車が与えたか、バイク側に過失はなかったか。難しい捜査を少しずつひもといていった。

 高齢者の事故も後を絶たない。「横断歩道で『車に止まってもらうのは申し訳ない』と遠慮して、信号ボタンを押さずに渡って車にはねられるケースもある。身体の衰えを理解できず、自分の運転で事故を起こした理由が理解できない人もいる」。ゆっくりじっくり話を聞く。その姿勢が多くの県民の信頼を得ている。(藤沢志穂子)