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大阪発祥の染色技法「注染」再び脚光 手ぬぐい、現代風にアレンジ

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大阪発祥の染色技法「注染」再び脚光 手ぬぐい、現代風にアレンジ

 ■台湾など海外でも人気

 大阪発祥の染色技法「注染」で染め上げた手ぬぐいが、現代風にアレンジされ、さまざまな商品に活用されている。大量生産の波にのまれ、衰退したが、独特の風合いと日本が誇る技術として、台湾など海外でも人気は高い。手ぬぐいを使った体操も考案されるなど、広がりをみせている。 

 「大阪発祥の文化として、発信を続け、注染を広めていければ」と話すのは、堺市中区の染色加工業「ナカニ」社長の中尾雄二さん(59)。平成20年に注染独特のにじみを生かした、手ぬぐいを販売する「にじゆら」を立ち上げ、大阪や京都に直営店を展開。全国で実演販売をするなどして、注染を広め続けている。

 最近は「にじゆらの手ぬぐいが好きだから」と入社してくる若者が増え、現在、20~30代の若手が14人いるという。同社広報、藤浦泉さん(42)もにじゆらの手ぬぐいにひかれた一人で、「注染で作られた手ぬぐいの、柔らかく、優しい使い心地に衝撃を受けて入社を決めた」と話す。

 ナカニには、デザイナーの社員も2人おり、若手の画家やイラストレーターがデザインした柄で染め上げた手ぬぐいも人気で、常時約300種が売られている。また、注染で作る手ぬぐいを使ったブックカバーや扇子、甚平などもつくり、台湾でも販売した。

 このほかにも、昨年秋には、手ぬぐいを使った「手ぬぐい体操」を考案し、オリジナルの音楽にあわせた動画を作成。各地のイベントで披露している。また、注染の手ぬぐいを知ってもらおうと、「注染育プロジェクト」も昨年スタートし、手ぬぐいを使ったワークショップも行っている。手ぬぐいの文化継承を願い、春ごろに手ぬぐいの需要が高まり、生産が増えることから3月21日を「日本手ぬぐいの日」に、と日本記念日協会に申請し、昨年登録された。

 中尾さんは、「にじゆらを立ち上げた当初は、注染に未来はないといわれ、理解されなかったが、ここまできた。まだまだ注染は知られておらず、後継者も少ない。今後も大阪発祥の文化として、発信を続け、注染を広めていければ」と話している。(猿渡友希)