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【もう一筆】福島 復興思い、握った手

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【もう一筆】
福島 復興思い、握った手

 「原発事故からの復興のために一番してほしいことはなんですか?」

 今月3日、筑波大学に設置されたつくば国際スポーツアカデミー(TIAS)の16カ国22人の留学生が福島県飯舘村を訪問した。村出身の私と母が案内役となって、村内の学校などを見て回った。原発事故の被災地に訪れるのはほとんどが初めてだったようで、質問も多かった。なかでもオランダのシンクロナイズドスイミングの元代表のロミー・クァーさんはもっとも積極的だった。

 「賠償はありましたか?」

 「いつ村に帰りますか?」

 「どうしたら帰れますか?」

 「事故が起きて一番悲しかったことは何ですか?」

 たくさんの質問の中で答えに詰まったのが冒頭の問いだ。「事故前に戻してほしい」というのが一番。だがそれは難しいことだ。「考えます」と答えると、ロミーさんは「プライベートな質問ばかりしてごめんなさい」と謝った。

 母は移動中に考えた後、「こうして村に興味を持ってくれることがうれしい。村で見たこと聞いたこと感じたこと、飯舘村が頑張っていることをたくさんの人に伝えてほしい」と伝えた。

 ロミーさんは「村に来ることを不安に感じていたが本当に来てよかった。力になりたい」と母の手を力強く握った。復興への長い道のりの中でこうした関心や心遣いが、何よりも大きな力になる。そう改めて感じた。(大渡美咲)