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長門の元乃隅稲荷神社、「インスタ映え」で世界に発信 CNNに市長特別表彰

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長門の元乃隅稲荷神社、「インスタ映え」で世界に発信 CNNに市長特別表彰

 山口県長門市が、海外でも有名になった元乃隅(もとのすみ)稲荷神社を生かした取り組みを進めている。米国のテレビ局CNNが日本を紹介する番組で紹介したのをきっかけに、注目度が増した。国内外を問わず観光客は増え続ける。市は観光PRの好機だとして同神社を前面に出し、休憩所や駐車場などの受け入れ態勢を充実させる。 (大森貴弘)

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 今月13日、長門市の大西倉雄市長は、CNN東京支局の若月陽子プロデューサーを市役所に招き、市のPRにおおいに貢献したとして特別に表彰状を贈った。

 市長は「CNNの影響力は非常に大きい。元乃隅稲荷神社、長門を世界に発信する材料として今後もさまざまな面で生かしたい」と語った。

 平成27年3月、CNNは同神社を「日本で最も美しい場所31選」に選定し、ウェブ上で発表した。

 日本海を望む断崖沿いに真っ赤な鳥居が連なる。特徴的な光景は、思わず写真に撮影して写真共有サイト「インスタグラム」に投稿したくなる「インスタ映え」し、海外の人々の心もとらえた。

 交通の不便な場所ながら、外国人観光客が押し寄せる現象は、地元でも驚きをもって受け取られた。

 同神社への観光客は年間3万人ほどだったが、昨年は53万人に膨らんだ。今年も10月末には81万人を上回った。市の推計では、観光客の増加による経済効果は昨年だけで30億円に上る。

 同神社によると、さい銭箱に入った硬貨の種類では台湾、韓国に次ぎ、米国のセントが13%を占めた。

 観光庁がまとめた全国の外国人宿泊者数のうち、昨年は米国からは6・7%にとどまる。いかに同神社を数多くの米国人が訪ねてくるかが想像できる。

 若月氏は「日本は多様性にあふれている。そんな国を食、文化、テクノロジーといったあらゆる側面から伝えたい」とコメントした。

 ◆ハード整備も

 長門市も神社を生かした施策に力を入れる。

 市内の中・高校生らは11日、ドローン(小型無人機)を使い、上空から神社を撮影した。青い海と赤い鳥居のコントラストが映えた。

 市とIT企業のドワンゴ(東京)の共同企画で、生徒らに自らが住む地域の魅力を再認識してもらい、記録に残した映像を世界に広めるという、一石二鳥の狙いがある。映像は12月中に生徒らが編集し、インターネット上で公開する。

 市は、ハード面を含め、さらなる観光客の誘致策を展開する。

 神社の周辺は、山が海の間際に迫る。斜面を縫うように生活道路が走り、大型バス同士ですれ違うのも難しい。観光客の車による大渋滞も慢性化している。

 そこで、山口県は昨年、県道の改良に着手し、車がスムーズに往来できるよう、待避所も設けた。

 長門市は9月補正予算に、100台規模の駐車場の整備と売店付きの休憩所設置などに計1億6千万円を計上した。

 市総務課の坂野茂課長は「神社は市にとり、大事な観光資源だ。観光客がストレスもなく参拝し、売店でもお金を落としてもらいたい」と交通の便の改善に期待を寄せる。

 CNN効果がこの先、どこまで長く続くのか。長門市の挑戦が本格的に始まった。