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若潮部隊慰霊祭に元隊員ら 「戦友の死 今も思い出す」 土庄

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若潮部隊慰霊祭に元隊員ら 「戦友の死 今も思い出す」 土庄

 太平洋戦争で、旧陸軍が香川県土庄町に設置した「陸軍船舶特別幹部候補生隊」(若潮部隊)の犠牲者が祭られている富丘八幡神社の「若潮の塔」で23日、慰霊祭が営まれ、元隊員や遺族、地元自治会などでつくる「若潮の塔奉賛会」会員ら計32人が冥福を祈った。

 若潮部隊は昭和19年、危うくなった戦局の打開策として15~19歳を対象に募集、ボートに爆雷を積んで敵艦船に突撃する兵員の基礎訓練を施す部隊として編成された。約8千人が4期に分けられ、それぞれ4カ月間の訓練を受けた。このうち1期生は台湾やフィリピンなどに出撃して1147人が戦死した。

 若潮の塔は昭和48年11月23日、元隊員らの寄付で建立された。翌年4月に建てられた同県出身の彫刻家、矢野秀徳氏による入隊時、訓練時、出征前をモチーフにしたブロンズ群像「陸軍船舶特幹生の像」とともに元隊員や遺族らの心のよりどころとなっている。しかし年々、高齢化などで参列者が減っている。

 元隊員(1期生)の中溝二郎さん(91)はフィリピン・ルソン島で陸戦を余儀なくされ、後に生還しており「戦友が息を引き取るとき、頭を東に向けるよう(宮城礼拝)頼んだことを今も思い出す」、兄の戦死通知(昭和20年1月9日付)を携えて参列した小坂宣雄さん(86)は「地域の人たちが慰霊を続けているのはありがたい」とそれぞれ話していた。